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#041 ノンディッシャー

¥220,000 (税込)

内食・中食のこれから ~ノンディッシャーの分析から読み解く~

家から帰ってきたら、食卓には皿がなく、テーブルに敷かれたサランラップの上に夕食が置かれていた。このようにサラリーマンの厳しい生活を冗談交じりに描写したものが、現実となりつつある。かつて、食器は、食べ物の衛生状態を守り、かつそこに芸術をもたらして食事の舞台を作り上げる存在だった。しかし、例えばフライパンで作った食べ物を皿に移すことなくそのまま食べたり、コンビニで買ったカット野菜を袋に入れたままドレッシングを食べる人がいる。食事において食器を排斥している彼ら「ノンディッシャー」は、時短を求めている、もしくは環境を配慮しているわけではない。トライブ「ノンディッシャー」の特徴で、ただ食器を使わないだけにあらず、食事の際の「ながら行動」が挙げられる。前述の食べ方を行うことで、食への集中力を薄め、その分の集中力をながら行動に向けていると考えられる。ノンディッシャーが理想とする「ながら食」を明らかにし、彼らが家庭の中でどのような生活行動を行っているかを分析し、現代人の家庭での生活がどのように変化していくのかを洞察したい。 今後求められるであろう処分の簡単な食器や調理器具のあり方、調理食材の提供方法のこれからを見据える。