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【エスノグラフィーの事例】街を見る視点を変えるエスノグラフィー①

学生時代は街歩きプロジェクトの研究をしていたという岸田さん。街歩きアプリの開発にエスノグラフィーを取り入れることで、従来のアプリやガイドブックにはなかった、街歩きのおもしろさを体験できるアプリが誕生したそうです。

街歩きや旅のおもしろさは自分の力で発見すること

岸田さん(以下:岸)「街歩きプロジェクトをやっていたとき、目指していたのが、ベタな街歩きではなく、ちょっとディープなところに行けるよう街歩きをどうやったら作れるだろうということでした。

本当におもしろい街歩きって何だろう?って考えたときに思いついたのが、ディープな場所をディープな場所に詳しい人に案内してもらうということだったんです。

東京の中でディープな場所ということで、まず上野があがりました。ちょうど僕の友だちに東京芸大の人がいて、上野で昼間からお酒を飲んでいるような人なんですが、その人に案内してもらいながら、実際に街歩きをしてみました。エスノグラフィーの中でも、自分たちも体験者となる、参与観察に近いかんじです」

一確かに上野というと上野動物園やアメ横など、ザ観光地というイメージが強いけど、それはごく一部で、上野から少し歩くとすごくディープなところが多いですよね。実際どんな場所をめぐったんでしょうか?

「東京芸大のキャンパスってすごく広くて、彫刻科とかもあるので巨大な彫りかけの彫刻とかがあったり、飲み屋街に行ってどういう飲み方をするのが粋かを教えてもらったり、ガイドブックなどだけで観光に来た人はおよそ行かなそうな場所ばかり案内してもらいました。西郷隆盛像とかは見に行かなかったですね(笑)」

一案内人の方は事前に行く場所決めているんでしょうか?

「案内する相手によってチューニングしているかんじでしたね。会話の雰囲気から、相手の好みや趣向をさぐって、その人なりに行くべきところを教えてくれるんです。

そのときは、案内人がどういったタイミングで情報出すかとか、どういうチューニングの仕方をしているのかを観察していました。案内を受ける人よりも、案内人のメンタルモデルがサービスに入っていたらいいんじゃないかと思ったからです。気が利く案内人みたいなメンタルモデルを抽出しようと思ってやっていましたね」

一街歩きする人ではなく、案内人のエスノグラフィーなんですね!具体的にどんな発見があったんでしょうか?

「おもしろかったのは、案内人は「ここにはこれがあります」と全部を言うのではなく、少しずつ小出しにしながら、歩いている人が自分の力で発見できるように促していたことです。ガイドブックを見ながらと大きく違うのは、自分で「これなんだ?」って見つけながら行けること。ガイドブックで答えを知っている状態で歩くより、自分で見つけながら歩くほうが楽しいんですよね」

一普通、観光や知らない街に初めて行く際は、ついランドマーク的なものをいくつか目印にしてよりよいルートで行こうとしてしまいがちですが、真逆の発想なんですね。

「そうですね。普通のガイドって、地図と写真と解説が書かれていて、それを見て「あったあった」と復習で終わってしまう、これは僕の考える楽しい街歩きとはかけ離れてしまうんだということが、上野のフィールドワークでわかりました。

この結果から実際に街歩きのアプリを作った時は、「このあたりにはこういう店やものがある」とは言い切らず、ユーザーがきょろきょろするような体験を、落とし込んでいきました」

一自分で発見することこそが街歩きの醍醐味で、それを手助けしてくれるアプリなんですね。

「あと、これまでの街歩きアプリは、画面を見ながら歩くというものが多くて、これは歩きスマホにもつながるので非常に危ないということもわかりました。僕の作ったアプリは案内のときは基本的には音声。できるだけ「あそこのあれは〇〇」と説明できるような音声であることが重要です。

エスノグラフィーをしないで作っていたら、おそらく地図とスポットの写真と説明がバーッとんあるインターフェースになっていたんじゃないかなと思います。

人によって情報の出し方も違うと思うし、いろんな案内をしてくれる人のエスノグラフィーをして、サービスを考えるとおもしろいものがたくさん生まれるでしょうね。

僕の場合は奥出直人教授流になりますが、まずは案内人を師匠ととらえて、そこから学ぶという姿勢が大事なんだろうなと思っています」(続)

【エスノグラフィーの事例】街を見る視点を変えるエスノグラフィー②

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