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SEEDATA

アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップまとめ

この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュースを5選紹介し、解説していきます。

Contents

自産自消趣味の増加

引用:https://twitter.com/andy_ca09

記事のように、他人との接触の少ない庭(ベランダ)などを活用し、自身で生産して自身で消費をすることを求める『自産自消』の行動が今後増えていくと予測します。

現にTwitterなどでは自宅内でできる農業など、宅内で完結できる遊びや趣味が増加傾向にあります。

背景としては、家から出られないことプラス、家の中で仕事と生活が一体している状況の中で、生活者はストレス解消や息抜きできる趣味を求め始めていると考えられます。

自産自消行動は今後ますます増えていくでしょう。

Home as a Office、家庭内セルフサブスクリプション

引用:https://twitter.com/morio_yoshida/status/1249629519155040256

引用:https://twitter.com/mt_aud/status/1248455088617611265

自宅のオフィス化による家庭内セルフサブスクリプションという行動は、オフィスコンビニに慣れていた人が、お菓子を買いだめすることで自宅内にオフィスコンビニと同じ機能を自ら作り出しています。

震災以降、普段から少し多めに食材などを購入し繰り出しながら使い、使ったら買い足すことで常に一定量が家庭内に備蓄されるローリングストック法が一部で広がっていましたが、今後はこのローリングストック型の消費がさらに加速していくでしょう。

一次産業のD2C/直売を後押しする

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200409-00010002-agrinews-soci

これまで直売所は、農家にとって中間流通をはぶけて利益率高く経営できるというメリットがありましたが、コロナウイルス後の現在では、消費者にとっては、生産者の顔が見え一時供給者との距離感が近いことで、商品に対して衛生面も含めて安心して購入できることが、大きな価値として受け入れられているようです。

いわゆる地域共生も含め、地域の食糧自給を安定的にする先として、今後直売やD2Cが後押しされ、増加していくのではないでしょうか。

料理・食材の選択幅の増加

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200409-00010002-agrinews-soci

これまで、人と常にコミュニケーションを取ることが多い仕事や衛生管理の仕事をしている人は、上記以外にも、納豆やキムチ、ニンニクといった臭いの強い食品をはじめ、「選べる食品や食材がかなり制限されていた」という背景があります。

自宅での仕事が増加することで、次の打ち合わせや他の人のことを気にせず食べ物を選ぶことができます。このような生活者が増加する中で、食習慣の中で本来選ばれなかった食材が選択されるようになっていくのではないでしょうか。

オンライン店舗で、ウィンドウショッピングと購買行動が可能に

                引用:https://mamekurashi.com/mamekurashikenkyujo/

バーチャルショッパー的行動も今後加速していくことが予測されます。

「まめくらし研究所」では、店舗を休業する代わりに、ホームページに貼られたURLからzoomアプリを利用し、店舗内の商品を見ることができます。営業時間中、店舗には店員がいて、オンラインで商品について質問したり、説明を受けることが可能です。

これまでファッション分野でのバーチャルショッピングは「行くのが面倒」という観点で選ばれていましたが、今後はお店に来店できない人向けに、店員とのコミュニケーションや商品との接点を提供することが価値となり、増加していくでしょう。

消費意欲の解消・リベンジ消費

アフターコロナの消費行動変化を捉える際には、短期的視点と長期的視点が必要ですが、とくにコロナ収束直後に起きる短期的な消費の傾向として、消費意欲の解消・リベンジ消費があげられます。とくに今自粛されている居酒屋、外食、イベント、へのリベンジ消費は非常に高まることが予測されます。

すでに公的な自粛が解禁された中国では、オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」で、業務が再開された途端にタピオカミルクティを1人で1回に77杯を注文したり、焼き肉店で全メニューをオーダーしたりする行動がみられました。

長い間我慢していたり抑圧されていた結果として、業務再開後にコロナ前の消費習慣に一気に戻そうとする爆発的な消費行動が高まると予測されます。

「消費者は心理的な混乱期と適応期をたどるのが一般的で、出来事を消化するプロセスをたどる必要がある。この消化プロセスは1、2カ月間」と言われています。アフターコロナの1、2カ月程度はこうした爆発的な消費傾向を見据える必要があるでしょう。

また、消費だけではなく、前回ご紹介した備蓄にも影響を及ぼし、自宅でも楽しめるようなお気に入りの商品をストックする考え方も増加していくのではないでしょうか。

「Just Walk Out」技術による買い物の時短・非接触化

Amazonは「Just Walk Out」というレジなし店舗技術をほかの小売業者に販売開始しました。

この技術は消費者がレジに並ぶことなく、かつキャッシュレスで店舗の商品を持ち帰ることを実現しています。公式発表ではカメラ、センサー、コンピュータービジョン、深層学習などの技術を用いて、支払い列に並ぶことなくそのまま店を出ることを実現しています。以前からこのような技術はありましたが、アフターコロナを踏まえて、レジなし店舗の拡大は今後加速していく可能性があります。

われわれの解釈としては、衛生面という観点から店員対消費者、消費者対消費者のような不特定多数との「非接触化」が今後のキーワードになり、消費者の対面接触をできる限り短くするといった購買行動が今後増えていくと考えられます。

結果として、買い物時間を短くするだけでなく、運営にかかる人件費もおさえることができるため、消費者と店舗側、両側面にメリットのある技術といえるでしょう。

利他性・持続可能な生活を守る、互恵的応援消費の登場

スマホアプリ「ごちめし」内の「さきめし」というサービスで、行きつけの店に滞在せず支援する動きが登場しています。登録された飲食店とメニューを選んで料金を払うと、6ヶ月以内であればいつでも食べにいくことが可能なサービスです。

自分が好きな店舗や行きつけのお店がコロナの影響で潰れないよう、事前にお金を支払い、お店のランディングコストを支払おうという動きが社会全体で起きています。

先払いによる支払いタイミングの変化と持続可能な経済の実現

上記と似た動きで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業要請が相次ぐなど、経営の危機にあるライブハウスを支援するプロジェクト「SAVE THE LIVEHOUSE」(https://savethelivehouse.com/)の動きが登場しています。

専用のサイトを通じて1枚600円のドリンクチケットをインターネット上で前払いすることで、8%の手数料を引いた、1枚につき552円が各店の口座に振り込まれます。「いつか行く」ことを前提にドリンク代の前払いでライブハウスを支援しようという動きで、支援先は、サイトに載っている全国のライブハウスから選ぶことが可能です。

この事例から考えられるのは、ライブハウスのようなオフライン店舗の持続可能な運営を社会全体で支援する動きが今後さらに加速していくのではないかということです。

また、生活者の大きな変化としては、支払いタイミングの変化が上げられます。事前予約自体は以前からありましたが、あくまで利用時期が決定している場合で日程確定型でした。今後はいつ行くかは不明でも、店舗が継続するための日程不特定型の支払い形態が増えていくというのは、消費行動における大きな変化のひとつといえるでしょう。

もう一点、価値観としての変化は地域共生という考え方があげられます。以前は「店や人を応援したい」という応援消費の傾向がありましたが、今後は単なる応援消費ではなく、「互恵的な応援消費」にシフトしていくでしょう。

アフターコロナ後は「これまで永遠にそこにあると感じていた店が、いつ失われるか分からない」という恐れが高まっていくため、自分の好きな店には先に支払いをすることで長く続いてほしい、お互いにメリットがあるからこそ支援するという流れが続くと考えられます。

一方通行的な支援ではなく双方向的な支援になることで、持続可能な生活を守っていくという考え方は強まっていくでしょう。

アフターコロナ以降の飲食店は、いつ訪れるか分からない不景気のためにも、ロイヤリティの高い顧客を作るためのブランディング施策が必要になるかもしれません。

テイクアウト・通販による名店お試し消費

最近、ネパール料理の宅配を「Namaste eats」と呼ぶなど、カテゴリ別にUber Eatsを利用する生活者が登場しています。

その事例として、一ツ星獲得レストランなどが、期間限定でテイクアウトやデリバリーを実施しています。これまで価格や行列、予定などがネックになり行けなかった人気レストランのメニューや、贈答用途でしか購入したことのない食品などを、テイクアウトや通販で購入する動きがますます活発化していくでしょう。

これまで宅配デリバリーといえば、ピザ、外食チェーンを中心に提供されてきましたが、今後はさらに個人の嗜好に合わせたデリバリーサービスや、そのカテゴリに特化したものが増えていくのではないでしょうか。

アフターコロナにより家庭内での贅沢消費が加速していくひとつの示唆といえるでしょう。

健康食のラグジュアリー化

出典:https://twitter.com/wataryooou/

以前から若い女性を中心に、豪華なサラダといった健康的かつ彩のある食事を少し高いお金を払って食べることや、「健康的な食事はラグジュアリー」と捉える価値観自体は存在していましたが、コロナ以降、この考え方がさらに広がっているように見受けられます。

たとえばTwitterの投稿では、20代の男性からもラーメンにネギやニンニクをトッピングして「免疫力をアップ」という投稿がありました。また、漢方や薬膳を使った鍋を、贅沢なものとして食べている投稿も見られます。

このような事例から、これまで食事の彩りや免疫などを気にせず、「おいしくて高級な食事こそがラグジュアリーな食事」と考えていた人たちも、彩りだけでなく食材のバリエーションを意識し、「身体によいものがラグジュアリーな食事」であるという価値観に変わりつつあるように感じます。

これまで彼らにとって「ラグジュアリーな食事」とは、味がおいしいことはもちろん、高級な食材、プロが作ってくれたものなどがあげられ、一方で「健康食」は、「おいしくはないが身体のために我慢して食べるもの」というイメージが強く、ラグジュアリーとは対極にありました。

しかし今後は、より多くの人にとって「ラグジュアリーな食事」の条件に「健康であること」「身体にとってよいもの」という価値観が広がっていくのではないでしょうか。

兆しとしては、コロナ以前の2019年冬頃から、納豆、キムチ、チーズ、キノコといった発酵食品をふんだんに使用した発酵鍋がブームになりました。せっかく時間とお金をかけるのであれば、身体にとっていい体験にお金を払いたいという価値観は今後もますます広がっていくでしょう。

既製品離れ・素材から自分で作りたい人の増加

出典:https://twitter.com/Lenosuke/

コロナ以降、スーパーでは小麦粉やゼラチンといった商品が品薄となる現象が起きています。可処分時間が増えたことにより、さまざまなものを手作りする人が増えたことはもちろん、これまで素材から作るという行動をしてこなかった人たちも、素材からパンやケーキなどを作り始めています。パン以外にも時間や手間のかかる味噌、ぬか漬け、ヨーグルトといった発酵食品作りも人気です。

コロナウイルス終息後も、自分でも作ることができると分かった既製品は購入せず、自ら作るという流れが進んでいく可能性があります。

とくに今後既製品離れが進んでいくと考えられる製品はおもに以下の4カテゴリーです。

①弁当、惣菜

②生菓類、パン

➂ドレッシング、ソース

④味噌、漬物などの保存食

また、自分でゼロから作る体験をすることで、今までなにげなく食べていた食品が何からできているのか、どんな栄養が含まれているのかを気にし始め、食品表示の多さに疑問を持つ生活者も増加していくのではないかと考えます。

セルフメディケーション需要の増加

出典:https://twitter.com/Enjoyshonan0466/

現在コロナウイルスのワクチンや特効薬がない中で、ウイルスを身体に入れないためには除菌や手洗いうがいをすること以外に、自らの免疫力を高めることが重要といわれています。

そのため、免疫はどうすれば高まるのか、「免疫」というキーワードが生活者の間で注目され、自宅での食事管理、運動を始めたという生活者も多く存在します。

これまで、いざというときには医療機関や薬に頼ることができましたが、今回のように頼ることができない事態も起きうることに気が付いたことで、多くの生活者が「自分の健康は自分で守らなければいけない」という考え方を持ち始めるのではないでしょうか。

これまでも、ウエアラブルデバイスや自宅でのセルフ検査キットサービスを活用し自らの健康状態を把握するセルフメディケーションという考え方はありましたが、コロナウイルスをきっかけにさらに広がっていくことが予想されます。

西洋医学以外の分野へ、健康の拠り所を求める声の増加

出典:https://twitter.com/LululalaRon/

薬や医療機関などに頼れなくなった際に自分の力で身体の不調を治すために、対処療法ではなく、あらかじめ備えることに意識が向かっています。なかでも、そもそもの免疫力を高めるために東洋医学、運動学、栄養学といった、西洋医学以外の分野への感心は高まっています。

とくに、免疫に直結しているといわれる腸を元気にするために腸活をおこなう人が増加し、都内のスーパーでは、腸活に効果的と期待されている納豆やヨーグルトといった発酵食品が売り切れる現象が起きています。

集団的ウィルス対策への需要増加

出典:https://twitter.com/livedoornews/

ウイルス対策としてこれまで一般的だったのは手洗い、うがい、マスクといった個人単位でおこなう予防でしたが、今回感染元として注目されたのは家族間などの集団(クラスター)感染であり、今後は集団単位で感染対策をしなければいけないという意識が高まっていくと予想されます。

Panasonicのジアイーノやオフィス空間の除菌サービスの登場など、個人の手についたウイルスを身体に入れないことではなく、そももそ空間全体を除菌対策する必要があるという考え方にシフトしていく可能性があります。 

プロによる「道具+HowTo」のセット提供が求められる

出典:https://lightup.stores.jp/items/5e9ea03255fa037b86ff3103

コーヒーショップLIGHT UP COFFEEは、コーヒー豆(100g)と「カフェオレの美味しい入れ方」オンラインセミナーのセット販売を開始しています。自炊が増え、娯楽がないといった理由から家庭で料理やハンドメイドを新たに始める生活者は増加傾向にありますが、道具や材料を買ってみたはいいものの、正しいやり方がわからずつまずきがちな初心者に向けたサービスです。

たとえば、ヨガマットとオンライントレーニング、キッチンツールと料理教室といった風に、「プロが教えてくれる」ことはひとつの価値となっています。

せっかく取り込んだ新規ユーザーを手放さないためには、商品だけでなく、レシピやオンラインセミナーなど、プロのノウハウと合わせて販売するようなサービスのデザインは、今後ますます必要になっていきます。特に、動画セミナーのような、手順を一歩ずつ覚えられるハンズオン形式は相性がよいといえるでしょう。

調理前冷凍食品のニーズの拡大

出典:https://diamond-rm.net/management/33990/

コロナの影響を受け、とくに冷凍ミールキットの需要が増加し、Amazonでは売り切れが続出しています。先ほど紹介したLIGHT UP COFFEEも、抽出したエスプレッソをキューブ状に冷凍した新商品を発売しています。

この背景には、自炊機会の増加や、買い物頻度を落としながら生鮮品をストックしなければならない状況を受けて、鮮度と使い勝手に秀でた生鮮品の冷凍へのニーズの増加があげられます。

特に、材料を小分けにして下味をつけた調理前食材は、仕上げは自分でおこなうことができるため、できたての味を損なわずに楽しめたり、家庭の味にアレンジしやすいといったメリットもあげられます。

また、冷凍食材を選ぶことで「いつまでに調理して食べなければならない」という強迫観念から解放され、賞味期限のことをいったん忘れることができます。

このような冷凍食材の良さが積極的に認知され、今後は「おいしく長期保存できるから、敢えて冷凍を買う」「半調理状態で冷凍保存する」といった習慣がいっそう拡大していくのではないでしょうか。

「たまに使うもの」が「毎日使うもの」へと変化することで、ニーズが多様化する

出典:https://www.fashionsnap.com/article/2020-04-15/shiseido-cleaner/

手荒れに配慮した消毒液、肌荒れしにくいマスクの登場など、コロナ以降、マスクやアルコールなど衛生用品のバリエーションが多様化してきています。

この背景には、これまでは非常時利用、一時利用に用途が限られていた衛生用品が普段使いされるようになり、毎日使うものだから、体質や志向に合うものを選びたいというニーズが顕在化していることがあげられます。

また、衛生用品に限らず、在宅勤務や休校によって利用頻度が各段に増えたものは数多く存在します。これを機に、顕在化したニーズを捉えた商品・サービスや訴求方法を生み出すことが、生活者の新たな共感を呼ぶチャンスといえるでしょう。

たとえば、子どもが休校中の家庭では、これまで給食が担っていた栄養を自宅で補わなければならなくなっています。冷凍うどんなどは安くて便利ですが、毎日子どもに食べさせるとなると栄養が気がかりです。そこで、これまでは時間がない日の時短アイテムだった加工食品やお惣菜に「どれだけの栄養が含まれているか」をわかりやすく示すことで、「手軽に子どもの栄養を満たすことができるので、ここの商品は安心して毎日使うことができる」と支持を集めるかもしれません。

タレント・ファンの相互協力関係が生まれる

出典:https://www.youtube.com/watch?v=b4DeMn_TtF4

出典:https://www.youtube.com/watch?v=Z1c_YTu2WIc

http://pc.goldenbomber.jp/contents/310274

星野源からスタートした「うちで踊ろう」動画がアーティスト・ファンを巻き込んだ一大ムーブメントを起こしたり、フリーランス音楽家がTwitterに投稿した「女々しくて」の替え歌「自粛して」をゴールデンボンバーがセルフカバー、また、ライブの代わりにグッズ通販を活性化しようと、送料を無料にさせるためのCDを新規製作するなど、アーティスト側も新たな取り組みを次々と打ち出しています。

これまでの震災の際などは、アーティストはTV出演や被災地訪問などを通じて社会を励ましてくれる存在でしたが、今回は、アーティストが支援を行うだけでなく、ファンや他のアーティスト仲間がアーティストの活動機会を生み出すような取り組みが多く見受けられます。生活者もアーティストも、感染症のリスクや仕事の減少といった同じ苦しみを共有しているからこそ、生活者もアーティストの活動を応援するような取り組みに共感し、応援するというループが広がっているのです。

このような取り組みを経て、コロナ後のアーティストとファンの関係は、一方的な憧れの存在から、Win-Winな相互協力関係へと変化していくのではないかと予想します。SEEDATAでこれまでご紹介してきたD2Cサービスでも注目されている、ファンをブランドの共創者として取り込む顧客体験は、今後エンターテインメントにおいても重要視されていくでしょう。

グロシエがそうであるように、芸能人がファンにダイレクトに意見を募り、ファンが日常使いできるプロデュース商品を製作するといった新規ビジネスも活発化していくかもしれません。

ポスト投函可能パッケージによって、罪悪感なくECを利用できる

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000009836.html

買い物機会の減少は、ECの利用を活発化させている一方で、SNSなどでは配達員から感染リスクや業務増加に悩む声が上がり、受け取る側の感染リスクだけでなく、流通を守る配達員の負担を減らそうという意見が生活者の間で交わされるようになっています。これを機に、置き配の要望や、宅配ボックスの設置も一気に進んでいます。

これまで置き配は、「家にいなくても荷物を受け取りたい」という受け取り側の利便性から利用が進んでいましたが、在宅時間が増えた中で置き配が進む背景には、「スーパーには行けないが、かといってECの使いすぎも配達員に迷惑をかける」「流通に負担をかけず、罪悪感なくオンラインで買い物がしたい」という生活者の思いが反映されているといえるでしょう。

そこで注目されるのが、ポストに投函できる薄型の配送パッケージです。

ナショナルデパート株式会社(本社:岡山市)は、ポスト投函できるデパ地下グルメの宅配事業Post Bento!」(ポストベント)の実証実験を開始。これまでのように「置き配=置きっぱなし」の前提では不可能だったサービスですが、利用者はすぐに荷物を受け取れる環境にいながらも、敢えてポスト投函を選ぶという行動変化の現れといえるでしょう。

これまでも、ECに特化した資生堂のブランド「レシピスト」や、おやつの定期配送サービス「snaq.me」が、ポスト投函可能なパッケージを採用し、利便性の点から薄型パッケージへの関心は高まっていました。コロナ流行を経て「不安や罪悪感なくECを利用したい」という新たなニーズから、対面受け取りの要らない薄型パッケージであることが購買意思を左右していくかもしれません。

ものづくりでマインドフルネスな状態を整える

<出典>https://twitter.com/cchili_dogg/status/1257388251066884097

<出典>https://twitter.com/tatsugawa_n/status/1258972915447377921

最近ではオンライン陶芸や編み物をする人が増えています。この背景には、コロナの影響で家にいる時間が増え、先行きの見えない不安な中で、手先を動かし、目の前の作業に無心で集中するという行為に人びとが癒やしを感じていることが要因として考えられます。

同じような「今ここ」に集中する行為としては瞑想があげられます。瞑想は健康のためにヘルスケア文脈で注目される一方、昨今では生産性を上げることを目的としてビジネス界隈でも注目を集めています。

またフィンランドでは、日照時間が短くほぼ陽の光を浴びることのできない時期になると、人々は小屋にこもって編み物や読書をし、趣味の時間に没頭するそうです。

上記と同じ流れが外出自粛を余儀なくされた今、日本にもきているように感じます。今回のような先行きに不安を覚えストレスを感じる日々の中で、心を落ち着かせることを目的としたものづくりニーズが高まっているのではないでしょうか。

自然災害や伝染病など、近年予期せぬ事柄が次々と起こっています。不安に負けず、感情的になる前に一度落ち着くための心づくりは、今後も必須の課題です。こうした、目先の物事に没頭し不安を落ち着かせるための娯楽は今後も増えていくでしょう。

ベランダでのアウトドア体験の流行

<出典>https://twitter.com/channel_camp/status/1257292967213031427

最近、ベランダで擬似キャンプをする「ベランダキャンプ」が流行っています。

これまでベランダは洗濯物を干したり花の世話をするなど、ある意味生活を快適にするための付属的な場所であり、そこで生活する人が主体となって楽しむための場ではありませんでした。

しかし長く続く外出自粛を乗り越えるため、ベランダで擬似アウトドア体験を楽しもうというニーズが高まっていると考えられます。

その他にも、通常キャンプに行く場合は、多くの荷物を持って行かなければならないため車での移動が基本ですが、ベランダキャンプはその必要がないため、飲酒が可能です。さらにお風呂上がりにベランダキャンプを楽しむこともでき、夜風に当たりながらビールを飲む、などの至福の時間を従来のキャンプより手軽に味わえることも、ベランダキャンプの醍醐味といえるでしょう。

リモートワークの普及により、今後は都心に住む必要性が下がってくると考えられます。そうした際に、郊外や地方に住居を構え、自然に囲まれた家でアウトドア体験を満喫するという暮らしも想像できそうです。

対面していないが一体感のあるオンラインフェスの流行

<出典>https://twitter.com/minshukukaido/status/1256591453150535687

<出典>https://twitter.com/choroyama/status/1251470665015627776

最近様々なアーティストが過去のLIVE映像をYoutubeなどで配信しています。さらに秋葉原のクラブ「MOGRA」は4月中旬に、DJたちの自宅をスタジオとし、Twitch(ライブストリーミング配信プラットフォーム)を使ったストリーミングフェスMusic Unity2020を開催しました。

これらの事例は、オンラインでのLIVEやフェスの可能性を充分に打ち出しました。その理由として、オンラインであってもLIVE・フェス体験における自分と他者との一体感が感じられることにあると考えます。

たとえアーティストや他のオーディエンスと同じ空間にいなくても、動画上に怒涛のように流れるファンによるコメントは、他にも多くの人々が、今、自分と共に同じLIVEやフェスを鑑賞をしているのだという実感を持たせてくれます。

また従来のLIVEやフェスは、他県まで行くために週末をまるまる空ける必要があったり、人気のアーティストであればチケット代も高額な場合が多く、そう頻繁に行くこともできませんでした。

しかしストリーミングLIVE・フェスは、自宅のPCやスマホからすぐに鑑賞を始めることができ、限りなく日常の中に埋め込まれた体験であるため、従来の体験よりも時間・経済的な観点から手軽に参加することが可能となり、より多くのファンを取り込むことができるでしょう。

上記に記載したMusic Unity 2020では、当日にチョコレートやイベント限定弁当のデリバリーを行うなど、他業界との連携も行なっています。オンラインでのイベントは今後も大きな可能性を秘めていると考えます。

ペットの代替としてのきのこ

<出典>https://twitter.com/SsKasugaharu080/status/1252773558440218624

<出典>https://www.instagram.com/p/B_RjqM3pI3E/

外出自粛期間にペットを飼う人が増えてきていますが、一方でしいたけを家で育てている人も増えています。

SNSでは「家族が増えました」「キモかわいい」などという声もあり、きのこ独特の見た目に怖気づきながらもペットのような感覚で育てている人が多いようです。

外出ができない生活では日常に変化がなく、人と対面で会うことのない日々の中、一人暮らしなどで淋しさを感じる人も多くなります。そんな中、本当はペットを飼いたいが、様々な事情によってそれが叶わない場合に、成長速度が早く、日々異なる一面を見せてくれるしいたけは見ていて飽きず、ペットの代替としてのニーズを満たしてくれると考えます。

また、アメリカでは災害が起きると潜在的な飢餓不安によりひよこの売り上げが高くなるそうです。日本でも地産地消のニーズが高まるなど、自分の食は自分で確保していくという動きが見え始めています。

<出典>https://president.jp/articles/-/34421

今後も、手軽に育てられ、食することもできる実利的なペットとして、きのこをはじめとした菌類や野菜のニーズは高まるのではないでしょうか。

実在する自分と体験する自分の分化

<出典>https://twitter.com/JIROtokyo/status/1254087555332505601

先日から複数回、Fortniteというゲーム上でTravis ScottやSteve AokiなどのLIVEが開催されています。

現実のLIVEは大半の時間を会場のみで過ごすことが多いですが、ゲーム内ではLIVEの合間に釣りやパラグライダーをしたりと、遊びながら参加することが可能です。

これまでは、ゲームなどのエンタメの世界はフィクションで、現実との住み分けもきっちりされていました。しかし上記の事例ではバーチャルリアリティの中でリアルタイムのLIVEを鑑賞しながらパラグライダーを体験するなど、現実では有り得ないことが一緒にできてしまいます。

バーチャルリアリティの世界はこれまでも存在していましたが、技術の発展とともに、今後、より私たちの生活に密接してくるでしょう。その中で実在する自分と体験する自分が分化することにより、私たちは仕事に忙殺されていても旅行に行くなど、従来の時間軸とは異なる捉え方で娯楽を体験することが可能になるかもしれません。

「免疫を向上させるための細菌」という捉え方の浸透

近年、医療・美容の両業界で注目を集めているのが、ヒトの免疫システムや代謝を改善する「マイクロバイオーム(微生物叢)」だ。この微生物の研究に熱中するあまり自分の身体で培養を始めてしまった男性の、「細菌偏愛ぶり」を米誌が追った。

<出典>16年間シャワーを浴びてない男が開発! 清潔と美肌を保つ「細菌ミスト」

https://courrier.jp/news/archives/166632/

アフターコロナ以降、衛生や菌に対する考え方が、日本だけではなく世界でも注目を浴びています。

「ウイルスに打ち勝つためには自分自身の免疫が重要」という考えが増えている中で、自分で菌を保菌する、免疫力を高めるために清潔を保ちすぎないという考え方が広がっています。

上記の記事では、自分の身体についている免疫や代謝を管理、促しているマイクロバイオームに注目し、自らの体で培養している生活者や、マイクロバイオームに着目した商品が世界的に少しずつ増えていることを紹介しています。

これまで、「もともと自分の体に生息している細菌や微生物は自分の体にとって有益であり、排除してはいけないもの」という価値観のもと、科学成分を使っていない身体に優しい製品が消費されてきました。

コロナを経て、これらの考えはさらに加速し、コロナのような大きなウイルスによるパンデミックが起きた際、自身の免疫力を高めていくために、化粧品などで日常的に細菌に触れる行動を取り入れるといった動きが今後増加していくのではないかと考えます。

たとえば、空気清浄機などはこれまで「空気をきれいにすればするほどよい」と考えられていましたが、海外の事例から、今後は家の中にある程度菌などがいる環境を意図的に作り出し、自分自身の免疫をより高めていくという価値観の増加が推測できます。

先進国に比べまだまだインフラが整っていない発展途上国では、今後インフラを整えていく際に、先進国並みに清潔にしていくのではなく、細菌類を完全に消さないような消費が注目され、免疫を磨いていくチャンスという価値観が増えていく可能性もあります。

これまで菌と聞くと、一般的にはあまりよいイメージを持たれることはありませんでしたが、事例以外にも腸内フローラなども一部で話題となっており、今後世界的に「免疫を上げるために菌をどのように利用するか」という考え方は広がっていくでしょう。

家中空間をマインドリセットの観点でアップデートする生活者の増加

withコロナを考えていく際の事例のひとつとして、観葉植物に対する価値観の変化があげられます。

これまで観葉植物の役割は、シンプルにインテリアとして彩りを増やすことなどがメインでしたが、アフターコロナの今、アメリカを中心に観葉植物がブームが起きています。

ご紹介しているThe Sillは観葉植物のサブスクリプションサービスですが、昨年比で400%の売上増を達成しています。これは、近年の世界的なトレンドとして、ノマドやフリーランスが増えたことによる在宅ワーカーの増加や、コロナ禍におけるニーズの拡大が考えられます。

以前から観葉植物は精神的な安らぎを得ることを目的として育成されていましたが、コロナ以降、さらに家中で自粛する中でのストレスマネジメントや鬱の予防として購入する人が増加しているといいます。とくに単身世帯の人にとって、観葉植物を世話することは、自分のメンタル状態をキープするためや、リモートワークでの気分の切り替えのために役立っているのです。

実際にアメリカでは、観葉植物の世話を生活の一部にとり入れることのメリットを発信しているミレニアルのインフルエンサーも登場しています。日々成長する植物に触れることは、ある種の疑似的な家族とのふれあい時間ともいえます。

ミレニアル世代を中心に、マインドを安定させていくために観葉植物を世話するという価値観は今後も広がっていくでしょう。

ミニマリズムから一転、マキシマリズムの台頭

つまりはフロー(流れ)よりも、ストック(備蓄)の時代に回帰するのだ。ジャストインタイムによってあらゆるものが世界中を流れ続ける世界ではなく、いろんなものを溜め込んでチビチビと使い、外部との物理的接触は避けるようになるのである。

 昔も今も農家には、いろんな道具や材料が山のように置いてある。農業という仕事はミニマリストとは対極にあり、さまざまな作業のためにさまざまな道具や素材を必要とするからだ。言ってみればフローに頼らず、すべてをあらかじめ準備するストック型の姿勢だと言えるだろう。この方向をさらに突き進めると、懐かしいアメリカのドラマ『大草原の小さな家』のような自給自足になる。完全なるプレッパー的生活だ。

 私は登山をよくするが、山小屋は好きではないので泊まらない。そのかわりにテントと食料、燃料などすべて担いでいく。重量が増えて肩と腰にがっつりと負担が来るが、背負っているザックのなかに生活のすべてが詰まっていると思うと、「何が起きても大丈夫。いまこの瞬間に文明が崩壊しても、数日間はこれだけで生き延びられる」というような変な安心感を感じる時がある。これもプレッパー的なストックの感覚なのだろう。

<出典>「アフターコロナ」社会はどうなる? 「ミニマリスト」から「プレッパー」の時代へ

https://bunshun.jp/articles/-/37175?page=3

ここ数年、世界的にミニマリズムという考え方に注目が集まり、シェアサイクルやカーシェアなど、モノを所有せず、シェアしようという考え方が浸透していました。しかし、コロナ禍で、家中で過ごさなければいけない状態となり、持てる限りのものは自分で所有しようというマキシマリズムな考え方を持つ生活者が現れ始めています。

この価値観は主にアメリカで浸透し始めており、俗に「プレッパー」と呼ばれています。「プレッパー」は、もともとはいずれ来る世界の週末から逃れるために備えている生活者のことをさしており、語源は準備する、という意味の’prepare’からきています。ここでいう世界の週末とは、人類が滅びることではなく、物流や生産といった社会のシステムの崩壊をさしています。現在の社会はまさしく、コロナにより社会システムの崩壊が危ぶまれているため、「プレッパー」の価値観が広く浸透するきっかけとなったと考えられます。

「プレッパー」の特徴的な価値観は、「備えることこそ恐怖や不安に打ち勝つ唯一の方法である」と捉えていることです。日本では、3.11の東日本大震災のあとは逆に所有することよりも身軽でいることが重要であるという価値観が普及しましたが、アメリカでは全く逆の価値観が浸透していることが特徴的です。

そのため彼らが車や自転車などはもちろんのこと、今回のコロナのような事態に備え、日常生活では決して必要でなさそうなものまで、準備しておこうと考えるのは当然の流れともいえるでしょう。

<出典>https://www.instagram.com/p/CARehPBFoXP/?utm_source=ig_web_copy_link

また、これを象徴する消費として、アメリカではピクルスを漬ける生活者が増加しています。これまで料理をしてこなかった人でも簡単に作れること、長期保存ができることに加え、ピクルスにすることで非常食では不足しがちな栄養分をおぎなえることなどが人気のポイントとなっています。

また、この記事にあるように、YouTubeなどの動画サービスでサバイバルを学ぶというトレンドもあります。ロックダウンで外界とのアクセスがとれなくなり、シェアリングは今後成り立たないのではないかという不安から、自分の身は自分で守ろうという考え方が勃興し始めています。

アメリカではサバイバル方法のレクチャーから備蓄方法のハウトゥーを紹介する、シティプレッピングといいうチャンネルが再生回数を伸ばしています。

“ Mobility as a Shelter ”と捉える居住空間の変化

中国では、キャンピングカーのようなバンを自分の居住空間兼モビリティシェルターとしている生活者が登場しています。ご紹介しているのは、中国で居住空間と移動手段を一緒にし、調理器具などを積んで自炊しながら中国大陸を移動し、旅先で出会った人と交流を楽しむ生活の様子をつづった、シニアのブログです。

日本でも第二の家として改良して使用している人は存在しますが、このブログ主は完全に車だけで生活しており、中国ではほかにもこのような生活者が増加しています。

この記事からSEEDATAがおこなった洞察は、コロナによる車に対する価値観の変化です。

近年、シェアカーが台頭し、自家用車は必要ないという考えが広がりつつありましたが、ロックダウンなどで公共の移動手段が使用できなくなった際、自家用車は安心かつ、シェルターともなり得るという価値観が現れ始めています。

中国では車という空間をどうアップデートしていくかが、今後重要な価値となっていく可能性があります。

たとえば、中国では日本同様フリーランスで働く人が増加していますが、カフェなどの居心地の悪さから車で仕事をする人も増えつつあります。そこで、車内の不安定なネット回線という課題を解決することも、車内空間をアップデートすることのひとつといえるでしょう。

Brain Stoppingなリラックスニーズの拡大

withコロナの時代において、余暇時間の使われ方がどのように変化しているかを考察する際、一例としてご紹介したいのがNetflixです。これまでドラマや映画がもっとも視聴されてきましたが、最近は歴史、芸術、アート関連、ドキュメンタリーなど、頭を使い考えながら見るコンテンツが注目されていました。

しかし、コロナで自粛生活を強いられるストレスフルな状況が続く中で、知的欲求を満たすコンテンツよりも、バラエティなど頭を使わずに見られるコンテンツの視聴が伸びています。

この背景には、テレワークで仕事とプライベートの境目がなくなり、休息がとりづらい中で、「頭を完全に休める時間を求めている」という生活者のニーズが考えられます。一回の視聴で有益な情報を得るわけでも深く考えさせられるわけでもなく、無意味な時間を過ごすことで、ある意味ストレスフリーな余暇時間を過ごしたいと考える生活者が増加しているのではないでしょうか。

日本ではNintendo Switchソフトの「あつまれ どうぶつの森」が爆発的人気となっているのも、同様の理由が考えられます。また、コロナ以降TikTokの利用者も増加しており、生活者にとって、頭を使わない時間を提供するコンテンツが求められているといえるでしょう。

もう一点、「オンオフの切り替えをストレスなくおこないたい」というニーズがあげられます。

コロナウイルスの影響による外出や旅行の自粛で多くの人がストレスをためるなか、自宅で楽しめる入浴剤の好みにちょっとした変化が起きている。人気なのは「温泉地」シリーズだ。

 入浴剤大手バスクリン(東京)によると、製品の中でも各地の温泉名をうたった「日本の名湯」の1~3月実売額が前年同期比247・5%と急増。3月単月も同307・9%だった。

<出典>朝日新聞デジタル:旅情を誘う入浴剤が人気 新型コロナの外出自粛余波

https://www.asahi.com/articles/ASN4X4HZ0N46ULFA010.html

日本の事例ですが、通常冬に売り上げが伸びるバスクリンの「日本の名湯」シリーズの売り上げが、春先であるにも関わらず、コロナの影響で急増しています。これは日本に限らず、グローバルでも考えられる視点で、たとえば外出できないからこそ、世界各地の雰囲気を気軽に体験できる商品やサービスののニーズは高まっていくでしょう。

通勤・勤務に対する気持ち切り替えのセルフマネジメント

<出典>https://twitter.com/yaginome/status/1261208950810132481?s=21

<出典>https://mobile.twitter.com/kya7mail/status/1260146617052565506

ご紹介するのは新幹線の動画を流して疑似通勤をしたり、クライアント用の服と作業用の服に着替えるなどして、自分なりに仕事スイッチを入れている生活者の事例です。

在宅勤務が余儀なくされている今、リモートワーカーたちは、従来の「オフィスに通勤する」というオンオフのトリガーを、自分で強制的に作る必要に迫られています。

そこで、たとえば、仕事時間にかける香りやBGMなど、スイッチングサポートに関するサービスや商品の需要が高まっていくと考えられます。

また、これまで大企業などの社員にとって、「このオフィスで働いている」ということそのものがある種のアイデンティティとなっていましたが、今後リモートワークが広がり、オフィスが縮小していくことで、この考え方も変化していかざるを得ません。

オフィスという空間なしに、社員はどのように会社とのつながりを感じ、会社ごとのカルチャーを形成していくか、ここに取り組むことがビジネスチャンスとなっていくでしょう。

たとえば、SEEDATAがすでに実施している社内向けの取り組みのひとつが「社内ラジオ」です。毎週社員がひとりゲストとして登場し、パーソナリティがゲストへインタビューし、おすすめの曲を紹介して、社員ひとりひとりのパーソナリティを掘り下げていきます。

リモートで社内カルチャーを共有するための取り組みは、今後ますます重要になっていくでしょう。

自宅オフィスに対するセルフリノベート欲

 なぜあれだけ嫌々していた在宅勤務に慣れたのか。それは、机や椅子を導入して自宅の環境をしっかりと整備したからだ。結果、自分好みの作業場、“俺の城”が完成した。もう会社には戻れない。<中略>

買ったのはL字デスクと回転椅子だ。出費は合計で3万円程度。一人で組み立て、もともと段ボールの上に置いていたキーボードや趣味の民族楽器、生放送用の機材などを好きに配置して趣味全開のデスクを作り上げた。

この空間だけで、簡単なバンド演奏やYouTubeでの生放送、ちょっとした動画撮影まで一歩も動かずできてしまう。机の下にも楽器を忍ばせており、仕事の合間に演奏できるようになっている。もちろん記事執筆をはじめ記者としての仕事もサボらずやっている。

<出典>「在宅勤務楽しい、ずっと家にいたい」 あれだけ出社したがっていた若手社員が手のひらを返した理由

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2004/17/news139.html

<参照記事>

マネーツリー社員はこうしてフルリモートワークを実現中!クリエイティブな自宅オフィスをご紹介

https://moneytree.jp/blog/meetthemoneytrees-whf/

理想の状態から逆算したら、ガムテープでデスクをすっきりできた

https://note.com/yriica/n/n671f33a15bef

これまでのオフィスは画一的で平等であることが重視されてきましたが、自宅オフィスは個人の趣味や嗜好を自由にプラスすることができるため、オフィス以上に快適で、自分にあった働き方を実現している生活者が増えています。

オフィス用品は会社から支給されるものではなく、自分で取り揃えるものとなった今、

これまでは端末を自由に選べることをBring Your Own Device:BYODと呼ばれていましたが、これからは、Brin your Own Workspace:BYOWとなるでしょう。

働く場所にとらわれないデュアルライフの加速

高価格帯の不動産売買を手掛けるリスト サザビーズ インターナショナル リアルティ(横浜市)の福島麦・銀座オフィス支店長は「千葉県の物件の人気が急に高くなった。南房総の海沿いエリアで中古住宅を探す顧客が急増しており、2月前半の2週間と比べると、4月前半は同エリアの問い合わせ数が3.9倍になった」と驚く。一番人気は南房総市で、富津市や館山市、勝浦市、いすみ市の物件にも照会が多いという。

物件に求められる条件は主に3つ。「オーシャンビュー」「広い敷地」「安定した再販価格」だ。千葉県は2019年に猛威を振るった台風15号や19号で被災した。地域によっては暴風雨の爪痕がなお残っている。新型コロナが拡大する以前は、「南房総エリアの中古物件への問い合わせは皆無だった」(福島支店長)という。

<出典>「コロナ疎開」、首都圏の中古住宅に問い合わせ急増

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO58725550R00C20A5000000?n_cid=SNSTW005&s=4

<参照記事>

OYO Hotels Japan、テレワーク応援プラン 「Work from Hotel」発売

https://www.kankokeizai.com/oyo-hotels-japan%E3%80%81%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3-%E3%80%8Cwork-hotel%E3%80%8D%E7%99%BA%E5%A3%B2/

星野リゾートが考える3密回避の旅、最高水準コロナ対策宣言

https://hotelbank.jp/hoshinoresort-infection-prevention/

ご紹介している記事にあるように、現在、千葉の沿岸部にセカンドハウスとして中古物件購入のニーズが高まっています。

また、ホテルのテレワーク応援プランなど、購入まではいかずとも、1週間~1か月など中期間のリゾート地への滞在も注目を集めており、今後は「住む」と「旅」の中間のような中期間の滞在も着目されていくと考えられます。

<出典>https://mobile.twitter.com/snakajima/status/1262583919221735425

これまでなかなか進まなかったテレワークですが、コロナによりオフィスに行かずとも問題なく仕事ができることが証明されたため、コロナ以降もテレワークを進める人はさらに増加していくでしょう。

企業は体調管理よりもメンタル管理による労働生産性の維持が重要に

新型コロナウイルス感染症の拡大で在宅勤務が進む中、約6割の企業で「仕事上でのストレスを抱える従業員が増えた」という調査結果が明らかになった。働き方が変化する中、従業員同士のコミュニケーションやメンタルケアが課題となりつつあることが浮き彫りとなった。

<出典>テレワーク拡大も6割が「従業員のストレス増加」企業はメンタルケアが課題

https://www.businessinsider.jp/post-212307

AIとの会話は、CBT(認知療法・認知行動療法)やACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー:認知行動療法もしくは臨床行動分析)に基づいた簡易のカウンセリングやコーチング、雑談などを行うことができる。「何に悩んでいるか言葉にしにくい」、「なんかモヤモヤする」といったときでも、悩みを引き出す質問をAIから投げかける。チャットでの会話はAIと本人だけしか見ていないので、安心して悩みを吐き出しやすくなる。

<出典>在宅勤務中のチームのメンタル状況をAIで把握 リモートオフィスSaaS「emol work」リリース

https://saleszine.jp/news/detail/1492

SEEDATAでは昨年、実際クライアントワークとして、メンタルヘルスを維持することにより生産性の向上に取り組みました。事例のemol workはチャットですが、やはりテレワークであっても「人同士の会話が重要」ということが分かっています。

<出典>https://twitter.com/rinatie/status/1260080277268738048?s=21

社会人だけでなく、大学でも新一年生が「自分は本当に入学したのか?」という実体のなさを感じています。それに対し筑波大学付属高校では、Zoomでカウンセラーに相談できる取り組みがスタートしています。

メンタル管理のための産業医やオンラインコーチングという分野は、今後さらに重要視されていくでしょう。

オフラインよりも営業 / 社内コミュニケーションが進化・効率化

zooomeは、名前、ふりがな、会社名・役職・SNSアカウント・フリーテキスト(最大100文字)のテキスト情報、および好みの背景色や文字色を自由に選べるバーチャル背景名刺作成ツール。

<出典>オンライン会議のバーチャル背景名刺を無料で作成、「zooome」で実現

https://www.bcnretail.com/market/detail/20200513_173014.html

これまでオフラインでは名刺交換が必須でしたが、オンライン名刺の登場で画面上で顔と名前を同時に見ることが可能となり、コミュニケーションのコストが下がったという事例です。

SEEDATA調査では、テレカンの背景にアイスブレイクツールとして絵画やファッション、ギターやトレーニング機材、応援しているスポーツチームの情報などを設定することで、初対面でも人となりを共有でき、その結果取引が生まれた事例もあります。

<出典>https://twitter.com/anzaioden/status/1260764261795553287?s=20

また、オンラインでは発言しにくい人も、画面上であれば活発に発言するという事例もあり、オンラインに慣れ親しんだミレニアル世代には広く受け入れられています。

最後にSEEDATAの最新事例として、以下のようなワークショップをオンラインに移行したテックキャンプ型アプローチもおこなっています。興味を持たれた方はmeikou.ou@seedata.jpまでお気軽にご連絡ください。

 

ファッションにおけるムーブ・エンハンスメントの重視

H:どうせ家だしパジャマ楽だからいいか、はダメなのか。ちょっとでもドレスアップしたり?

D:人によると思うけど、そうね、みんな着飾るべきだと思う。少なくともパジャマじゃない服を着た方がいい。もしよくジムに行く人なら、ワークアウト用の服を着て家で少し運動してみると、気分が高まるし、希望に満ちた感覚が戻ってきて「またジムに行くんだ!」ってなる。だから、みんなにはちょっと着飾ってみて。「ムード・エンハンスメント」といって、自分のムードを最適化するために着飾るというセオリーね。

H:勉強になります。ほかにはどんな助言をしていますか?

D:自分自身の気分に耳を傾けて、と言っている。もし不安な気持ちを抱えているなら、オーバーサイズのセーターを着る。ハグされているような気分になるじゃない? あとは、なにか違うことをするたびに着替えること。家のなかでも、たとえば料理をするってなったら着替えて、寝るってなったらまた着替えて。一日の単調さをなくすことが大切。

H:ちなみに、ファッション・サイコロジスト、ドーンの部屋着は?

D:キモノ(ローブのような)。インタビューや会議で(ビデオ通話で)顔が映らない限りは、家ではそんな着飾らないけど、キモノを着ると、穏やかな気持ちになる。誰にも言ったことがないから、これはあなたたちの独占ネタね(笑)。このキモノは、コロナ前から部屋着だったけど。

<出典>HEAPS/「不安な気持ちのときは、オーバーサイズのセーターを」ファッションと心理学、自分のムードとうまくつき合う服を選ぶこと|CORONA-XVoices

https://heapsmag.com/corona-xvoices-dawnn-karen

ご紹介しているのはファッションサイコロジストのコロナウェア理論ですが、外出自粛が続き、デザインよりも、着ることで得られる着心地や気分が重要になり、より自分視点でファッションを選ぶようになっていくであろうことを示唆しています。

ムード・エンハンスメント=「自分のテンションを上げる」ために服を選ぶという行動はこれまでもありましたが、アフターコロナ以降、さらにファッション界の大きな流れとなっていくのではないでしょうか。

このような「自宅にいてもスイッチングのために着替える」という流れがある一方で、「起きてすぐ(着替えをしないで)仕事に取り掛かりたい」という真逆のニーズも以前からあり、それがコロナにより顕在化したことで、次にご紹介するような事例も登場しています。

仕事着と部屋着の融合

世界中で新型コロナウィルスが猛威を振るう中、多くの企業では家でのリモートワークを推奨し、Zoomなどを使ったビデオ会議が一般的になってきました。自分の家で、部屋着のままリラックスして仕事ができるリモートワーク。でも、ビデオ会議があるときだけは、着替えないといけないのが少しめんどくさい…。  

そんな悩みを抱えるみんなのために、ビデオ画面に映る部分だけがフォーマルで、画面に映らない部分が部屋着になっている、リモートワーカー用部屋着をつくりました。

<出典>WFH Jammies/上はビジネス、下はリラックス。リモートワーカー用部屋着をつくりました。

https://www.kickstarter.com/projects/197719879/wfh-jammies

すべてのビジネスマンを表現者にすると宣言するTHE SUIT COMPANYは、着れば一瞬でちゃんとした印象になり、しかも、洗濯機で洗ってもシワになりにくく、繰り返しサッと着られる 0kcal SHIRT SERIESこそ、自分にとっても、ビデオ会議に出席する相手にとってもストレスが少ないという点で、リモートワークのビジネスマンの表現服であると考え、このシャツをもっと皆さまに着用してほしいという願いから、TVCMの放送を決定した。

<出典>IGNITE/リモートワークこそシャツにこだわりたい。「THE SUIT COMPANY」の『0kcal SHIRT SERIES』

https://ignite.jp/2020/05/199606/

①では、あえて着替えることで気分を高める事例をご紹介しましたが、逆に、「わざわざ仕事着に着替えたくない」「仕事とプライベートで服を分けたくない」というニーズに応える商品も登場しています。海外でもスウェット生地でできたシャツやジャケットを販売するブランドが誕生しています。

リモートワークの普及で仕事とプライベートの境界がなくなったことにより、外着と部屋着の境界線も曖昧になり、一着で部屋着にも仕事着にもなる服の需要は今後ますます高まっていくでしょう。

ビジネスチャンスとしては、たとえば、電動歯ブラシを購入することで以後替えブラシが定期的に届くサブスクリプションサービス「quip」のように、1回の購入で仕事に必要な洋服や周辺小物が季節に合わせて定期的に届くサービスなども考えられます。

<参照>

https://www.gqjapan.jp/fashion/article/20200318-one-mile-items

https://note.com/stamp_tokyo/n/n84db8ae372a2

求める環境の変化→疎になるための旅行

開疎化と言っているのは、一言で言えば、Withコロナ社会が続くとすれば、これまで少なくとも数千年に渡って人類が進めてきた「密閉(closed)×密(dense)」な価値創造と逆に、「開放(open)×疎(sparse)」に向かうかなり強いトレンドが生まれるだろうという話だ。

ちなみにその逆、言ってみれば「密密化」は都市化や人類の文明の発達してきた方向とほぼ表裏一体であり、つい4ヶ月ほど前まで、このままいけば、ブレードランナーのようなsuper都市セントリックな未来、それ以外の空間が捨てられる未来、がやってくるというのが、全世界的に起きてきた強く太いトレンドだった。

<出典>ニューロサイエンスとマーケティングの間 – Between Neuroscience and Marketing

https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/19/131331

何者にも束縛されず自己欲求を満たすことは悪くない。むしろ自己解放になる。そんな行動の究極こそ、ソロキャンプと言っても過言ではないのです。

ソロキャンプなら店員もいません。何を食べても自由。周囲への配慮さえできていれば、独り言を言おうが何時間過ごそうが、自由。

<出典>CAMP HACK/究極の“お一人様”を楽しもう!ソロキャンプ2スタイル、あなたはどっちが好み?

https://camphack.nap-camp.com/3487

これまでも定番の観光地ではなく、人のいない秘境への旅を好む人はいましたが、コロナの影響で、人の集まる人気スポットより過疎になれる場所への旅行が好まれるようになっていくでしょう。

三密を避けたソロキャンプは、コロナ収束後もブームとなっていきそうです。

<出典>https://twitter.com/mocchicc/status/1264708317651144704?s=20

また、コロナにより「密を避けたい」という思いと、リモートワークを経て「どこにいても仕事はできる」という確信を得たことから、住居と仕事場を同一にし、郊外や地方に引っ越しをする人も登場しています。

これまでは、セカンドハウスを持つデュアルライフも、都心へのアクセスがよい郊外が人気でしたが、今後は郊外を越え、地方に第二の家を持つ、または移住する人が増加していくのではないでしょうか。

さらに、すぐには移住できない人が瞬時に疎になる手段として車内空間が挙げられます。

単なる移動手段ではなく、自分だけの空間としての見出すことが、車を所有することの新しい意味になるのではないでしょうか。

<参考>コロナ禍で「地方回帰」機運 ITベンチャー社長が新潟移住

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59628620X20C20A5L21000/

自宅での楽しみ方→非日常のデザイン

『FLOWER』は、“アプリで注文したブーケがポストに届く、お花の定期便”です。

スマホの専用アプリをダウンロードし、お花を選びます。選んだお花は専用BOXに入れられポストに届くから、不在で受け取れないこともありません。人との接触を最低限に控えねばならない今、とっておきのサービスなんです。

<出典>お花の定期便『FLOWER』をレビュー! 選んだブーケがポストに届く♡

https://lin.ee/eyTtV5Cw?utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=none

「絵画は富裕層が楽しむもの」そんなイメージをなくすため、Casieは「本物の絵画」をお手頃価格でレンタルします。
レンタルする絵画選びは「自分で選んでもよし」「プロに任せてもよし」お気軽にアートを飾る暮らしをお楽しみください!

<出典>Casie/ワンコインで始めるアートのある暮らし定額制絵画レンタルのかしえ

https://casie.jp/

<出典>https://twitter.com/nijinoyatu/status/1247870693791772674?s=21

コロナの影響で自宅で過ごす時間が増え、花を自宅に届けるサービスや絵画をレンタルできるサービスなど、自宅にいながら非日常をデザインできるサービスが人気を集めています。

コロナウイルスという未知のウイルスに対する不安がある中で、生活者は自らの心の健康を保つためにこれらの行動をしているのではないかと考えられます。

お店とご自宅をスマホでつないで担当スタイリストがセルフカットをレクチャーします

<出典>http://mr-brothers-cutclub.com/telecut.html

また、自宅とヘアサロンをオンラインでつなぎ、コーチングを受けながらヘアカットをおこなうサービスや、メイクのコーチングサービスなども登場しています。

これまでもプロを自宅に派遣するサービスはありましたが、容易に外出できない、ソーシャルディスタンスを保つという状況で、自宅での専門分野に関するコーチング需要は高まっていくでしょう。

このように、さまざまなジャンルで、お店に行ってプロがおこなっていたことを、自宅の中で再現するという方向は深掘っていくことができます。

これまでは外出しなければ体験することができなかったサービスが自宅で再現される流れは、自宅で過ごす時間が長くなるにつれて今後さらに加速するのではないでしょうか。

<参照>

新型コロナの影響によるストレス対策 海外で“心の健康”を保つアイテムの需要高まる

https://www.wwdjapan.com/articles/1071167

食材のD2Cの加速→メルカリなどで生産者から直接購入する流れが更に加速する

<出典>https://twitter.com/hayakawagomi/status/1217063952426733570?s=20

<出典>https://twitter.com/yyy_SUSHI/status/1255348996161392641

<出典>https://twitter.com/onikuchan0927/status/1255316362563592194

野菜を直接農家から購入する流れは、コロナ以前から一部消費者の間で流行っていましたが、こだわりの生産者が自由価格で出品した農産物を購入できる「食べチョク」の登場で、この流れはますます加速していくと考えられます。

食べチョクは、農薬・化学肥料不使用や有機栽培などの栽培方法から野菜検索できたり、少量・多品種栽培の珍しい野菜や、地場野菜の購入、生産者に直接質問をすることなどが可能なオンラインマルシェです。

もともとは「農家の人たちが困っているから購入したい」という流れでしたが、新鮮で安くておいしいことからネットを中心に話題となり、コロナをきっかけに利用者が増加しています。これにより自宅での野菜体験の多様化が進み、市場を介さない食材のD2Cの拡大が予想されます。

これらの事例は、「誰が、どんな土地で、何にこだわって作っているのか」といったプロダクトが生まれるまでのプロセスを知ることで、消費者が自然と応援したくなる好例と言えるのではないでしょうか。

SEEDATAでは、生産者と消費者が直接つながるD2Cは、今後食品に限らず、日用品や耐久財、サービス開発を行う際に重要な概念になると考えています。

SEEDATAブログでは、D2CとECの違い、D2Cブランドの紹介、D2Cからさらに踏み込んだDNVBについての紹介を行っていますので、ぜひご覧ください。

ECとD2CとDNVBの違いとは?

今更聞けないD2C②D2Cが成功をおさめた背景

人の精神や肉体のペースメーカーとしての意味を持ち始めるペット

アメリカでは、新型コロナウイルスの発生以降、保護犬、保護猫の需要が急増している。動物の力を借りて、長引く「外出禁止」を乗り切ろうとする人が増え、注目が集まっているのだ。バージニア州の動物保護団体「ラッキー・ドッグ・アニマル・レスキュー」によると、譲渡件数は例年の3倍に急増し、3000件近い応募申請があるという。マルケス博士も、ペットを飼育することで症状が改善するケースがあると話す。

(中略)

最新の報告では、ペットを飼うことで不安や孤独感などをやわらげる効果があると指摘されています。私の患者の中にも、これまでは犬を飼う事が出来なかったものの、在宅勤務を機に犬を飼い始め症状が改善したケースがありました。人によっては、ペットを飼う事で、家族と会話をしたり、お茶を飲んでリラックスするのと同様の効果が認められます。もし、あなたが犬や猫と触れ合う事で「つながり」を実感できるなら、そうすることを強く勧めます。

<出典>「コロナうつ」が急増 心の健康どう守る?ハーバード大准教授が勧める7つのポイント

https://www.fnn.jp/articles/-/32102

海外ではコロナウイルスによる自粛期間中に、犬の散歩であれば外を出歩くことができることから、犬を飼い始める人が急増しました。

ペットEC「Chewy」1Q決算(https://strainer.jp/notes/7031)によると、売上は+46%に加速、会員は1,500万人を突破し、新規会員の初回購入額がコロナ前の新規会員よりも11%上昇しているといいます。

また、ペットを飼うことは外を歩く大義名分を得られるだけではなく、上記の記事にあるように人間の精神衛生が安定することも分かっています。ペットとスキンシップをとることで幸せホルモンといわれるオキシトシンが大量に分泌され、精神的な安らぎだけではなく、免疫力の向上にもつながっています。

もちろん、散歩で外気や土に触れることや、動物と触れ合うことそのものが、免疫力を上げることにもつながるため、今後は精神的充足と免疫力向上の二つの側面から動物がいる生活にメリットを感じる生活者が増えていくのではないでしょうか。

太陽が昇れば起きる、寝る、食べる、散歩をするという野生的な時間感覚を持ったペットと暮らすことは、現代人の乱れがちな生活リズムを適正に維持することにも寄与しています。

コロナ以前は、単純に愛玩対象、または家族の一員と認識されていたペットですが、アフターコロナでは、ペットは精神や肉体のペースメーカーのように健康を助けてくれるものとして、存在意義が変化していくでしょう。

時短料理の衰退とスロークックの台頭

そしてなにより、夕飯への仕込みができるというのはかなりありがたい価値です。

普段、帰宅後から夕飯までは本当に戦争のような時間帯。

おなかを空かせて帰ってくる子供たちに、急ピッチでごはんをサーブしなければならないのはかなり至難の技。(F1の音楽流れてきそうな気迫ですよ、もう。)

(中略)

でも在宅ワークの日だけは、お昼から煮込んだり、食材カットや下準備などの準備だけ先にできたりと余裕をもって夕飯の支度ができる。

(平日の夕飯への準備に早朝の時間や、週末の時間をけずっているママ・パパは多いはず。)

ささいなことに聞こえるかもしれないけれど、カレーやシチュー、肉じゃがといった子供が好きな煮込み系の家庭料理を週1でも作り立てで作って上げれるというのは、自分の幸せにとって、とても大切なこと。

小学校にあがった子供がいる同期社員は「在宅ワークの日は、おうちに帰ってきた娘に「おかえり」って言ってあげれる。それが価値」って言ってて、あぁ、なるほどな~って思った。

もちろん効率性とか負荷軽減とかそういう効能もあるけれど、さらに、こういう情緒的な側面で社員の幸せをつくれるという視点もあるよなぁと。大事だよなぁと思うのです。

<出典>私にとっての在宅ワークの価値は、煮込み料理。

https://note.com/pochicosan/n/nacecac77d1a1

コロナ禍で、昼間に仕込んで夜に出来上がる、時間の経過とともにおいしくなっていくような煮込み料理を作る生活者が増加しています。

これまでは、仕事を終えて帰宅してから夕飯の調理に取り掛かる場合、いかに調理時間を短くするかという課題がありましたが、記事では在宅ワークの昼休み中に夕飯用の煮込み料理を仕込む様子が紹介されています。煮込み料理は調理時間のかかる料理ですが、実際に手を動かす時間はそれほど必要ありません。

このように、調理時間は長く、手を動かす時間は短くすることで、通常の時短料理にはない、できていく過程の楽しみや、放っておいても手の込んだ料理が食べられるという安心感を享受していると考えられます。

このような背景からシャープの自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」は昨年1~3月比2.5倍、4月は3倍以上の売れ行きをみせ、今後もスロークックの流れは加速していくと考えます。

子供のアイデンティティを育てるための親によるDIY学習プログラムが勃興する

最終的には、なるべく、大人も子どもも楽しめる or 楽できる勉強をやっていこうと試みました。(これは大きな学びでした。)

学年にもよるかと思いますが、特に低学年のうちはいかに、その子にあった勉強法で楽しい体験を与えてあげるかが重要だと信じて行ったものです。ぜひ、休校中のみなさま、また、学校再開後でも、お子さんとの遊びの参考にしていただければと思います。

目次

1時間目 考古学: 自主研究ノートを作り祖母に発表

2時間目 英語: Zoomで国際交流

2時間目 建築: マイクラで我が家を再現

3時間目 情報:タイピング/プログラミング

3時間目 デザイン: ピクセルアートづくり

6時間目 音楽&体育: DJ遊び&パーティー

7時間目:国語:オーディオブックで読み聞かせ

【学校再開後も続けたい】我が家のクリエイティブ時間割り!

https://note.com/emikusano/n/n9d4e99dd1731

この数か月は在宅ワークをしている保護者が、自分の仕事と並行して休校中の子供の勉強をみる必要がありました。時間の捻出方法と内容の試行錯誤を続ける中で、学校の勉強とは異なる、自分(親)のさせたい学習内容を考案する親が増加しています。

コロナ以前から、「今後どうなるか分からない不安な社会情勢の中で、子供の個性や感性を育てたい」という親のニーズは増え、学校での決まりきった平等な教育ではなく、自分なりの感性を磨き、自分の価値観で、何が自分にとって楽しいことなのか取捨選択できるようになってほしいというインサイトがあることが分かっています。

一方で、「選択肢がありすぎて、何をさせたらいいかわからない」という悩みもあり、記事では親が1時間ごとにテーマを絞り、子供に多様な体験をさせています。

また、保育園とリハビリ施設が複合する施設で高齢者と保育園児が一緒にプログラミングをおこなう事例なども登場しています。

「これまでの学校教育だけが学びではない」という価値観がさらに加速していくことで、これまでのように子供向け、大人向けという年齢による区切りではなく、全年齢にとって価値のある学びが今後さらに求められていくのではないでしょうか。

家事をマインドフルネスとして活用する生活者の登場

玉ねぎを焦がさないよう、ときどきかき混ぜながら、にんじんとじゃがいもの皮を剥く。鶏肉は煮込む前に焼き色を付けて、カレー粉で軽く風味をつけておく。ちょうどいいタイミングで仕上がるよう、段取りを考えながら作業していると、頭が空っぽになる瞬間が訪れる。

これ、何かに似ているなあと手を動かしながら考えていて、「マインドフルネス」だと気づいた。

マインドフルネスとは、「今、ここ」に意識を向け、今していることに集中する心の状態のこと。世界の名だたる企業やトップアスリートが、マインドフルネスの瞑想法を取り入れている。日常生活に取り入れることで、集中力や創造性が高まったり、ストレスが軽減されたりする効果が注目されている。

現代人の日常には多くのタスクがあるから、時間を効率的に使ったり、無駄を省いたりする工夫は欠かせない。

でも、一見無駄に見える時間の中には、あえてペースを落としてじっくり味わうことで、人生が豊かになるプロセスも含まれている。

たとえば、新鮮な食材を選び、心を込めて作った料理を、家族で味わう。

TVを消し、スマホもオフにして、大切な人とゆっくり話をする。

公園で足を止め、ぼーっと木を見上げて過ごす。

わずかな時間でも、そうやって「今、ここ」に生きる練習をすることが、特に現在のようにストレスフルな状況下では、心身をリセットする働きをしてくれるのではないだろうか。

<出典>マインドフルネスカレーのつくり方

https://note.com/mihokotakahashi/n/n65f3a89509d4

これまで料理や家事などはなるべく時短でおこなうことがよしとされてきましたが、自宅にいる時間が増えたことで、再び手をかけ時間をかけ料理や家事をするという機会が増えました。

上記のブログでは普段はミールキットを使って料理をしていた母親が、久しぶりに包丁を握ったところ、自分が料理が好きだったということに改めて気づいたという内容が書かれています。また料理をする体験そのものがマインドフルネスのようだったと語っています。

料理や家事などの単純作業が、マインドフルネスのように精神を落ち着かせるのに役立つということは以前から言われていました。

時間のない中で料理や家事を行ってもそのような体験をするのは難しいですが、改めて時間をかけてこのような行動をしてみると、自分の生活を豊かにしてくれる行動であるということを再認識した人も多いかもしれません。

このような体験をした結果、今後も気持ちの切り替えや精神を落ち着かせるための行動として、料理や家事を生活の中に取り入れていこうと考える生活者は増えるのではないでしょうか。

栄養摂取のための義務食料理と、食体験に楽しみを求める余暇食料理への二分化

近年の検索傾向は「時短意識」がうかがえるキーワードが上位を占めていましたが、パンデミック以降はお菓子やパン、本格料理に関するキーワードの出現が目立ち、料理に求めるニーズが拡大した印象を受けます。

この拡大傾向は不可逆的なものであり、外出制限が緩和されても「時短料理一辺倒」には戻らないのではないかと個人的には予測しています。環境要因として在宅時間が増えることはもちろん「小麦粉から作る餃子の皮のおいしさ」「子どもと一緒に作る料理の楽しさ」などの心理的発見が、マルチ化を一層後押してくれると思います。

一方で「単身の在宅ランチ」が日常化すると、シンプルな卵かけご飯や、朝食の残りものを食べたり、プロテインバーやドリンクなど食事を簡単に済ませることも多くなると思います。

時間をかけて準備する食卓と、シンプルな食卓、家庭ごとに緩急つけて楽しむスタイル(これこそ、旧来のハレとケの家庭料理なわけです)が、今後の家庭料理のスタンダードに位置してくるのではないでしょうか。家庭料理はこれからも進化していきそうです。

<出典>これから、家庭料理はどう変わる?

https://comemo.nikkei.com/n/nbc60ecdd0ddd?gs=a59aae82a9f8#2aFCI

コロナ禍で、外食の機会が減り、自分で料理しなければならないシーンが増えたからこそ、料理そのものを完成させるという結果だけではなく、「料理をする過程を楽しむというプロセスに目を向ける人が増えたのではないか」と先ほどのトピックスでお伝えしました。

一方では、作る機会が増えたからこそ、すぐに用意できてすぐに食べ終わる、なるべく時間や手間をかけず食事を作りたいというニーズも増加しています。

SEEDATAが調査したドクターシューマーというトライブでは、食事の内容が栄養摂取を目的とした義務食と、食べる楽しさを求める余暇食のような2つの食事体験に二分化していくという洞察をご紹介しましたが、まさにそれが食べる体験だけではなく料理を作るという体験にも現れているといえます。

今後は、作ることにも食べることにもなるべく時間をかけないが、必要な栄養は摂取することができる義務食と、マインドフルネスのような精神的なメリットや、作るプロセスの楽しみを重視した料理体験との2極化が進むと考えられます。

たとえば、現在日本でオートミールが大ヒットしていることからも分かるように、「単品でさまざまな種類の栄養が摂取できる」食品の需要は今後も続いていくでしょう。

プロ専売品のホームユース化が進み、プロ仕様のケアを誰でも再現できるようになる

外出自粛期間中に美容院に行くことができず、「色落ちしてしまった髪をセルフで染めたい、けれど失敗が不安」という悩みがあちこちで見聞きされました。そんな中で一気に注目を浴びたのが、ヘアカラーのD2Cサービス「COLORIS」です。

市販薬は誰でも簡単に染められるように設計されているため、必要以上にキューティクルが開いてしまうことで髪や頭皮のダメージに繋がりますが、COLORISでは、カウンセリング結果に基づいて薬剤の量や強さを調整してご提供するため、ダメージが最小限に抑えられ、キレイな発色が長持ちします。

<出典>https://www.coloris.shop/

COLORISが実施するWebアンケートに基づいたヘアカラー剤の調合は、通常はサロンで美容師が行っている作業であり、この調合の過程を経ることで、ユーザーの髪質に合わせた仕上がりと、ダメージの軽減が実現し、失敗の不安を軽減してセルフカラーを行うことができます。(さらに、ヘアカラー剤はサロン向けのOEMメーカーで製造されています)
実際にCOLORISを利用した人たちのレビューでは、「市販のヘアカラー剤よりも高価(約5000円)だけど、サロンに行くよりも安い」という意見がみられました。これは、本来であれば時間とお金をかけてサロンに通っていたのと同じ品質のヘアカラーを、自宅で、かつ初心者でも手軽に再現できることへの高い満足の表れといえるでしょう。
これまでのセルフカラーは、どちらかといえば仕上がりのクオリティや髪へのダメージにこだわりのない人がメインターゲットでしたが、このようなサービスが登場したことで、今後はこだわりの強い人もあえてセルフカラーをおこなうように変化していくのではないでしょうか。

「美容室に行けない」という状況は徐々に解消されつつあるものの、これを機に、「プロが使用している商品を、初心者が簡単に扱えるようになる」という体験への期待は高まっていくと考えられます。

サロン向けヘアケア大手のミルボンも、美容室を通じて、一般顧客にサロン専売品を販売できるECを新たにリリースしました。

高品質の自宅ケアがより普及していくことで、美容へのこだわりが強い生活者の間にも「サロンに行くか、自宅で行うか」という選択肢がいっそう広まっていくかもしれません。

オンラインでプロが教える、バーチャル接客体験の拡大

百貨店のコスメカウンター閉鎖によって、従来のようにBA(ビューティアドバイザー)に化粧品選びの相談を行うことができなくなり、その状況は今もなお続いています。

このような状況を受けて、コスメブランド各社が、ZOOMやInstagramのライブ配信(インスタライブ)を用いたオンライン配信に力を入れています。

たとえばM・A・Cでは、メイクアップアーティストがインスタライブでメイクアップの実演を行い、配信を機に実際に化粧品を買ってみたという生活者も現れています。

プロモーションの主軸はデジタルに 体験に代わるデジタルコンテンツが鍵

こうした生活者の反応から、オンラインならではの「憧れのプロが教えてくれる体験」そして「商品の機能だけでなく、メイクの方法までわかりやすく学べる体験」が、化粧品の購買を後押ししていることが伺えます。

このようなオンライン配信を用いた施策には、CLARINS、GLOSSIERといった有名海外ブランドも積極的に取り組んでいます。中には店舗スタッフや専門家とビデオチャットで直接話すことができる、バーチャル対面方式を採用している企業もあるようです。

新型コロナで加速する「デジタル・カウンセリング」、海外化粧品ブランドの事例

これまでのECの購入体験には、「自分に合うかどうかわからない」「使いこなし方がわからない」といった不安がつきものでした。しかし、このように専門的な知識を持ったプロが、オンラインで商品や使い方について教えてくれる体験を提供することで、店舗に気軽に行くことのできない人々(対面接客が苦手、近隣に店舗のない地域に住んでいる、自宅で子どもの世話をしているなど)も、より気軽に購買を行えるようになっていくのではないでしょうか。

ほしいときにいつでも手に入る、買いやすさ優先の購買意識の高まり

同じく、店頭接客が行えない化粧品販売についての事例をご紹介します。

これまで通販を行わず、店頭接客による販売を行ってきたアルビオンが、5月いっぱいの期間限定で通販を実施したことが話題を呼びました。

これまで同ブランドでは、店頭接客で丁寧にカウンセリングを行うことが、ブランドに対する信頼や購買への安心感につながるとされてきました。しかし、いつでも店舗に行けるわけではないという制約が生まれたことで、「いつも使っているものが買えなくなる」という不安を感じた人も多いのではないでしょうか。

実際に消費者からは「今後も通販を続けてほしい」という声が上がっており、「店舗に行かなければ購入できない」ことは、信頼感以上に義憤の種となってしまいます。

アルビオンのような基礎化粧品をはじめ、自分に合ったものを毎日使い続けるといったカテゴリーでは、「必要なときにいつでも買える」という買いやすさへの期待がいっそう高まっていると予想されます。

その示唆として、コンビニ・ドラッグストアなどで手軽に購入できる化粧品への再注目が伺えます。これまで関心を向けていなかったドラッグストア商品に対しても、「どこでも気軽に買えて、しかも品質もよかった」という気づきが生まれているようです。

商品の機能だけで比較をすれば、これらのプチプラ商品よりも、百貨店などの店頭で接客を受けながら購入するハイブランド商品が勝る場合も多いでしょう。しかし、「高品質だが買いにくい」商品と「品質はそこそこだが買いやすい」商品があったとき、今後は品質だけでなく、買いやすさによって商品選択を行っていく生活者が増えていくことも予想されます。

なかなか買い物に行けないから、久しぶりにコンビニコスメをチェックしたらけっこう使えるアイテムが増えていたの。例えばファミリーマートの「カネボウメディア(KANEBO MEDIA)」の口紅。ファミマ限定の「チューリップレッド」は春らしいカラーで顔色もぱっと明るくなるの。ローソン限定の資生堂の「インテグレート(INTEGRATE)」のミニサイズマスカラも使いやすいサイズで優秀だった。

<出典>こんなときだから、子どもも一緒に楽しみながらビューティチャレンジ 働くママのざっくばらん“本音”トークVol.6 ビューティー編

https://www.wwdjapan.com/articles/1081096?utm_source=twitter_wwdjapan_official&utm_medium=social&utm_campaign=1081096&utm_content=tw202006031320

見せるためではなく、自分の気分を上げるための美容行動の登場

次にご紹介するのは、在宅勤務中に香水を楽しむ生活者の事例です。

一見、外出機会の減少で出番がなくなりそうな香水ですが、仕事中の気分転換や、周囲を気にせずに好きな香りを身にまとえるといったメリットから、かえって利用が進む場合もあるようです。

香水の利用シーンの変化の兆しは、海外でも見られています。

オンラインで香水を購入することを厭わない顧客が増えるとともに、彼らが欲しいと思う香りも変わってきている。香料メーカージボダン(Givaudan)のリサーチによると、アメリカとフランスにおける18歳から65歳の女性300人に行った調査で、コロナウイルス前であれば顕著であった「セクシー」「魅力」といった要素よりも「気が落ち着く」「リラックス」といった香水を欲しがる購買客が増えていることがわかった。

<出典>香水ブランドは、いかに 新しい生活様式 へ適応してるか?

https://digiday.jp/brands/fragrance-brands-accelerate-digital-to-address-customer-behavior-changes/

この背景には、長引く自宅生活によるストレスや先行きの見えない不安から、リラックスを強く求める傾向が伺えます。同じく海外では、リラックス作用のあるCBDを含んだ製品や、香水ブランドのホームフレグランスやキャンドルの販売が急増しているといいます。

経済や安全に関する情勢がめまぐるしく変化していくことや、在宅勤務によって場所を変えて気分転換を行うことが難しくなっていることなどから、好きな香りやリラックスできる香りを身にまとうことでいつでも自分の心を整えたり、仕事のモチベーションを高めたりといった行動が増えているのでしょう。

新型コロナの影響によるストレス対策 海外で“心の健康”を保つアイテムの需要高まる

こうした変化によって、香水をはじめ、たとえばリップの色、着る服などに関しても、「周囲からよく見られるためのおしゃれ」ではなく、「ストレスを軽減し、自分の気分を良好にコントロールするためのおしゃれ」というニーズが高まっていくと予想されます。着心地や風通しのよさによって心地よく働けるワークウェアや、朝に仕事のスイッチを切り替えるような爽快感を伴うスキンケアなど、毎日ふれるもので自然と自分の気分を高められるような習慣への期待が高まります。

在宅期間を活用して新たなメイクや服装を試してみる、自己探索美容の登場

最後に、先の事例と同様、在宅生活ならではの新たな習慣の兆しをご紹介します。

毎日外に出て人に会う生活をしていると、突然メイクを変えて失敗してしまったり、個性的な服装をしたりすることは憚られ、失敗のない同じ習慣を続けることに意識が向きがちです。

しかし、今後も在宅勤務を取り入れながら働く人が増えていく中で、人目を気にせずに過ごせる日が以前より増えると予想されます。そこで、在宅勤務の日に新しいメイク方法を試して似合うかどうかを研究したり、人と会わない数日間でプチ整形を行ったりするなど、失敗を恐れることなく、これまで出会ったことのない自分を追求する習慣を行いやすくなっていくと考えられます。女性だけでなく男性も、在宅勤務日に気になっていたネイルにトライしてみたりといった身だしなみの変化により取り組みやすくなるかもしれません。

作業空間としてではなく、コミュニケーション空間としてのオフィス

曜日で借りられるオフィスレンタルサービス「WEEK(ウィーク)」をリリースしました。 「WEEK」URL: https://week-office.com 1曜日から借りられる柔軟な契約形態で自社オフィスを持つことを可能にし、週に1,2回だけオフィスに集まるという新しいワークスタイルの構築をサポートします。
<出典:1曜日から借りられる新しいオフィスサービス「WEEK(ウィーク)」をリリース https://ascii.jp/elem/000/004/016/4016906/>

こちらは週1日から借りられるコワーキングスペースのようなサービスの事例です。テレワークが浸透したことで、オンラインやチャット上でフラットに発言しやすくなったり、大事な発言が記録に残るといったメリットがありましたが、一方でリアルでのコミュニケーションでしか生まれないセレンディピティやコミュニティ感が損なわれつつあるという問題が発生しています。
大企業では今後もテレワークが浸透していき、オフィスは働く場所という意味ではなく、リアルなコミュニケーションや人と会うコミュニケーションツールの箱として、週1回でも出社すること自体が価値になっていくのではないでしょうか。
そうなったときに、求められるオフィス設計も変わってきます。たとえばワーキングスペースを縮小化し、コミュニケーションスペースを広くとることも重要になっていくでしょう。

テレワークで誰にも会わない日々が続くことで「リアルなコミュニケーションをとらなければいけない」と、人びとの意識は変化していきています。
しかし、一方で外出や出社の際、どこまで徹底して対策をすれば安心かという判断基準が可視化されておらず、結局個人レベルで徹底的にやるしかない現状に、ネットでは「除菌疲れ」というキーワードも話題です。そんな中での出社に対する不安を払拭できなければ、コミュニケーションをとるためのオフィスという価値は発揮できません。
その際に企業が考えなければいけないのは、コミュニケーションスペースの取り方や、空気清浄機や換気を徹底するということだけではなく、従業員が「リアルでのコミュニケーションをとっても大丈夫」という安心感を持てるオフィス空間の設計です。
これらの示唆は、家電メーカーや空調機器などの商品開発やサービス開発に使用できるのではないでしょうか。

ラグジュアリーな避難場所としてのホテル

実際は旅ではなくただホテルでひらすらダラダラ過ごすという目的のない宿泊なのですが、今この外こもりを「ホカンス(HOCANCE)」と言うオシャレな言葉でブームになりつつあるそうです。
<出典:【ホカンス】外こもり本当に何もしない時間をひとりで過ごしてきた【給付金】
https://note.com/akmima7/n/n8f7c518db388

ホカンスとはホテルでバカンスの略で、リゾート地ではなく、近場のホテルに宿泊し、大きなスクリーンでテレビを見たり、少しリッチな朝食を食べるなどしてプチバカンス気分を味わうという行動で、ネットを中心に話題になっています。
これまでもホテルはテレワークの場所として活用されてきましたが、旅行に行きたくても行けない状況の中で、少しでもリゾート気分を味わえる場所としての価値を感じ始める生活者が増えています。
自宅とはまったく異なる環境に身を置くことができます。テレビや映画鑑賞といった自宅と同様の体験も、ホテルは旅行の気分が損なわれないような非日常的な設計となっているため、場所をホテルに移すだけで観光やリゾート気分を感じることができるのです。
不特定多数の人のいるリゾート地に赴くことが難しい中で、避難兼バカンスとしてホテルを利用する生活者は今後も増加していくでしょう。
今後のホテルは、長い自粛生活で抑圧され、自宅だけではオンオフができなくなったとき、大きくスイッチングができる場所として、空間デザインや気分をデザインしていくことが求められているのではないでしょうか。

移動に適しているだけでなく、作業 / エンタメ空間としての車内空間のデザイン

新型コロナの影響で映画館が営業できなくなり、観客が自動車で隔てられるドライブインシアターがにわかに注目を集めるようになり、日本でもドライブインシアターに対するイメージが少し変わりつつある。

山梨のショッピングモールラザウォーク甲斐双葉では、今月4日・5日に野外駐車場でドライブインシアターが開催された。地元の映画館「塩山シネマ」などが主催したもので、料金は500円と格安で、子供から大人まで楽しめる映画「ペット2」が上映されたという。時間帯も18時半に上映を終了するところを見ると、ショッピングを終えて、または鑑賞後外食をして帰ってもらおうという企画意図かもしれない。「ロマンチックな大人のエンタメ」ではなく、「家族みんなで気兼ねなく映画鑑賞」という印象だ。

また、野外映画上映のプロ集団Outdoor Theater Japanは、SNSを通じ、47都道府県でドライブインシアターを行うと発表し話題を呼んでいる。イベントといえば都市部に集中し地方では開催されないことが多いが、全国で行われるとなると日本中で盛り上げてほしい企画である。
<出典:新型コロナウイルスで休業の映画館に代わり脚光 日米韓それぞれのドライブインシアター
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2020/04/post-93173.php

日本では馴染みのなかったドライブシアターですが、コロナを機に新たなエンタメとして広がりつつあり、広島ではドライブインライブという新しい形のライブ体験を提供するサービスも登場し話題です。

SEEDATAではこれまでも車で全国を移動しながら生活をする生活者などを調査してきましたが、車内空間は今後さらにデザインの余地があると考えています。今回の事例は、ライブやスポーツ観戦が難しい中、車を「移動とエンタメをひとつにしたパッケージ」として展開していくヒントのひとつといえるでしょう。
車内で仕事をする人びとは、ホテルのように完全にひとりになれる、かつ外気に触れなくていい場所として車を捉えているように、「移動、エンタメ、働き方」という文脈で車を使用する生活者は今後も増加していくと考えられます。
アフターコロナ以降、車の価値が移動手段以上にひとつの箱として機能していくようになった際に求められるのが、車の中デザインや衛生状態です。
今後、ドライブインシアターなどのエンタメ消費や、長時間働く場所といった機能を持つようになったとき、用途に合わせて車の空間デザインをしていく必要があります。
たとえば、既存の車用フレグランスは車特有の匂いを消すためのものでしたが、室内のように車を使用する目的に応じて香りを変えたり、時間帯や仕事で切り替えたいと考える生活者も現れていくと考えられます。
車が仕事とエンタメの両面で機能する場所になっていったとき、仕事をするため、みんなで映画をみるため、ひとりでリラックスするためなど、用途に合わせて変化できるシートの設計なども必要となっていくでしょう。

テレワークが進む中で、半強制的に作業に取り組む空間の需要が増加

一般的なホテルのテレワークプランは、ベッドが常に視界に入るために仕事に長時間集中できないというデメリットがあった。そこで「ベッド」を客室から取り払い、ストイックに仕事に集中できる環境を整えた。
<出典:ホテルなのにベッドを撤去したテレワーク専用ルームオープン https://ignite.jp/2020/05/200061/>

ホテルでテレワークをする人が増えているのはもはや当たり前となりつつありますが、この事例では、いつでも休むことのできるベットを撤去することで、「強制的に仕事モードに自分を追い込む場所」としてホテルが機能しています。ベッドのほか、テレビもないため、完全個室でありながら誘惑が何もないことがポイントです。会社という「仕事をする」場所に行けない今、自宅ではすぐに休むことができてしまうが、カフェなどの利用はばかられ、漫画喫茶は誘惑が多い…という状況で、「自立して仕事に集中できる空間が限られている」という問題を解決してくれるサービスといえるでしょう。
今後も週の半分は出勤、半分はテレワークというワークスタイルは広がっていくことが予測され、そのためにはテレワークしやすい環境を整備していく必要があります。
また、アフターコロナが続く以上、これまでサードプレイスと言われてきたカフェなどは仕事目的では利用しづらくなり、代わりに通勤時間が長い人にとっての中間地点=サードプレイスとしてこれらの場所が機能していくとのではないかと考えられます。

仕事とプライベートの境界の曖昧化が進み、従来は仕事から隔絶されていた空間も作業空間と捉えるように

「Office to go(オフィス トゥー ゴー)」とは、オフィスをキャンプ場に持ち出すアウトドアサテライトオフィスサービスです。キャンプ場内に、「働く」環境を整備し、キャンプ場という非日常の中で仕事を可能とすることで、新たな発見が生まれたり、オープンな雰囲気で自由に意見交換できたり、自然の中で気分転換することで集中の質をあげたり、様々な好循環が生まれる環境を提供します。

<出典:キャンプ場をサテライトオフィスにする【Office to go】ブランドのトライアルを開始、ワンコインでワーケーションキャンプが可能 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000049217.html>

これまでデュアルライフとは、たとえば週末2、3日は田舎に行きDIYや家庭菜園しながら生活し、平日は都内で生活して働くという2拠点、もしくは多拠点生活を意味していました。しかし、コロナの影響により、旅行や他人との密を避ける価値観が広がっていること、どこでも働けるため「東京にいる必要がない」という考え方が広がっていることで、単純に2拠点生活、多拠点生活がデュアルライフとはいえなくなっているのではないでしょうか。
コロナでテレワークが可能になり、デュアルライフをおこなう生活者がさらに増えていくといわれてきましたが、テレワークが浸透した今、完全に出社の必要がなくなれば、拠点ごとどこかに移動しようと考える生活者が増加していくと考えられます。
今後は働き方を軸として、「どこで働くか」という切り口でデュアルライフを唱える人が増え、完全に拠点を田舎に移す、もしくはごくたまのちょっとした贅沢としてデュアルライフは捉えられていくのではないでしょうか。自宅で働きつつ、週末や月一程度キャンプ場でチルワークをするのが新しいデュアルライフとなっていくでしょう。

この事例から読み解けるのは、仕事や作業に求めるものが「効率重視」から「快適重視」に切り替わり始めているということではないでしょうか。
これまでは、仕事とプライベートの切り替えをいかに効率よく行い、仕事の生産性を向上していくかがポイントでしたが、テレワークが進むにつれ、切り替えの境界線が曖昧になり始めています。これからのアフターコロナの世の中では、テレワークやワーケーション制度の整備、また地方からフルリモートでの業務など、自身が快適だと感じる空間で働くことが、作業のモチベーションを保ち結果として生産性の上昇が起こりうると考えられます。
このような動きを見据えていくと、例えばオフィス空間のデザインだけでなく、モチベーションを一定に保つために必要な要素とは何かを分析することで、飲食料品の開発のヒントにも活用することができるでしょう。

アフターコロナの観点で考えると、今年の検討範囲は大きくふたつです。

ひとつは、これまでSEEDATAが作成してきたトライブリストの中で、コロナによって加速するものを分析していく予定です。

たとえば、eスポーツなどはまさに家庭内での趣味の増加により広がっていくことが予測されるため、トライブ「eスポシューマー」的価値観の広がりが、コロナによってさらに加速する可能性を調査していきます。

ふたつめは、コロナの影響によって先進的な行動をし始める生活者も当然出現するため、SEEDATAでは新たなトライブを調査するべく、生活者へのインタビューに3月から動きだしています。

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