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Written by
宮井 弘之
代表・ファウンダー

【宮井マーケティング塾 】 <序章>コトラー&ケラーのマーケティングマネジメントを読み解く

マーケターの役割が広がり、同時にその重要性も高まりつつある昨今。そこで、今回からグローバル・スタンダードのマーケティングテキストの決定版と言える『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』を題材に、SD G代表の宮井がマーケティングの基礎から実務での重要なポイントについて解説していきます。

 

前回、マーケティングの知識は業種を越えて理解される必要があるという話をしました。しかし、MBAの授業をとったとしても、ファイナンス、組織、マーケテイング、経営戦略などの科目がある中でマーケティングは14~28コマ程度のため、部分的にしか知ることはできません。

SD Gはマーケティングの重要性を理解しているからこそ、しっかりとマーケティングの勉強をした人と仕事がしたいと考えています。

もちろん、本連載でマーケティングを学びながらSD Gにジョインしていただくことも可能ですし、純粋に本業に活かしていただいてもかまいません。

 

マーケティングを語るうえで、まずもっともよい教科書といえるのが『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』です。本連載ではこの本の目次に沿って解説していくため、詳しく知りたい方は購入することをおすすめします。(ただし分厚いです)

まず、著者であるコトラーとケラーについて簡単に紹介しておきます。

 

フィリップ・コトラー

コトラーは、世界中のマーケターに対しての最強のナビゲーターといえます。

基本的に今日のマーケティング戦略、マーケティングミックス、STPなどのひとつひとつは、コトラー自身が考えたものではありませんが、彼がこれらすべてを研究し、編集し、まとめあげて発信しています。

 

ケビン・レーン・ケラー

ブランド戦略、ブランド構築に関してはアーカーとケラーが大家といわれていますが、ケラーは経営戦略ではなく、消費者行動をもとに、消費者の頭の中にあるブランドとはどんなものかを考えることから、ブランディングを中心にマーケティングまで含めて議論をしています。

 

つまり、より長期的な取り組みであるブランディングと、より広範囲の概念であるマーケテイングを専門とするコトラーとケラーがタッグを組み書かれた本書を読むことで、世界のブランディング、マーケティング知識は概ね網羅できるといえるでしょう。

 

一方、『マーケティング・マネジメント』がマーケティングの教科書として優れていることは大前提として、この本にはいくつかの問題点もあります。

 

①事例がすべてアメリカのため日本人にはぴんとこない

マーケティングの世界では、日本人は品質、機能、価格にうるさいため、消費者としては特殊で、ほかの国よりも攻略が難しいという側面があります。

 

②最新情報が網羅できていない

出版されてかなりたつため当然といえば当然ですが、モノからサービス中心の世の中に移行しつつある現在のマーケティングについては深掘りできていません。この部分については、連載後に私が解説します。

また、デジタルマーケティングのノウハウについても未対応です。基本的な考え方は同じですが、実務として自分でツールをいじりながら、テクニカルにやらなければならない側面が増えているのが現状です。そこで実際どんなツールが使われているのか、解像度高く理解していなければ、的確な指示ができず、戦略が空振りしてしまいます。

 

もう一点、デジタルマーケティングの世界はどんどんアップデートされていくため、プラットフォームの情報など、日々キャッチアップしていかなければ、フリーランスであっても、大企業に勤めているとしても、マーケティング人材としては枯れていきます。

 

このように、マーケティングの基本的な考え方は同じでも、実務上で学び続けなければいけないことが多いため、本の知識だけでは頭でっかちになってしまう恐れがあります。

 

➂スタートアップ的な考え方がない

ビジネスモデルが固まっている中でのマーケティングが前提で、新規事業、個人事業主・ベンチャーといった小さな組織や個人でおこなうことはそれほど意識されていません。

そのため、現在のように各社が新規事業やイノベーションに取り組み、リソースがない中でスタートアップ的に取り組む際に、具体的に進める方法についての記述もありません。

 

④マーケター採用の観点がない

本書はマーケターとして既に仕事をしている人に向けて書かれているため、経営者、ベンチャーや新規事業の立ち上げなど、マーケターにどんな職種があり、どう目利きすればよいのかという、採用側の基準についての視点はありません。

私自身がカバーできている部分も多少ありますが、実務的には網羅できない部分もあるため、いったん教科書に沿った説明の後、さまざまな分野の専門家と対談していく予定です。

 

次回は目次について解説していきます。

 

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