デブスインタビューのプロセス、今回は、インタビューフローを作る際にどのような考え方で作るべきかというマインドセット編とインタビューフローの構造編の2つをお話しします。
インタビューフローは、インタビューの台本という目的以外にこれまでの仮説を整理をするという大きな目的があります。
もちろん台本という意味では、インタビューフローがあることで当日聞く内容を整理できて、インタビューをスムーズにおこなうことが可能になります。
ただ、フローはあくまで流れの整理であり、この内容のままおこなう必要はありません。
SEEDATAではインタビュー中に対象者の発言が想定と違ったり、思った以上にユニークな考えがあった場合、フローの順番を変えたり、フローにない質問を加えながら進めていきます。
インタビューフローは完全に網羅すべき台本とは捉えず、アドリブありきの想定質問集と捉えましょう。
もうひとつの「仮設を整理するためのフォーマット」という目的についてお話しします。そもそもインタビューの目的は仮説や考え方があっているかどうか、あるいはそれ以上に新たな発見があるかを探っていくことです。
インタビューに行く前に現在どんな仮説があるか、その仮説を深堀りするためにはどんな質問が必要か整理したものがインタビューフローになります。
インタビューフローを作る上での考え方は、①インタビューのフォーカスポイントを決める、②仮説をつくる、③キークエスチョンをつくるの3ステップです。
①インタビューのフォーカスポイントを決める
まずはインタビューで対象者の何を把握したいのかという、全体の目的を決めます。たとえば前回のお話しであった主婦をテーマとすると、「主婦の買い物行動と家事時間の使い方を把握する」というようなものがフォーカスポイントになります。
②仮説を整理する
たとえば、セグメントにもありましたが「行動する手間よりも考える時間を省きたいと考えている」などいくつか仮説を出し、その仮説について深堀り、あるいは検証をしていきます。
インタビューの際はこの仮説をそのまま聞いても答えが出てこないため、なるべく対象者に分かりやすい形でキークエスチョンとして質問化していきます。
③キークエスチョンを作る
インタビュー全体の中でも「キーになる質問」=盛り上がりポイントをいくつ立てていきます。
さまざまな質問をぶつけながら、ここぞというところでキークエスチョンをもってくるというようなインタビューに設計します。
まずはこのキークエスチョンをいくつか作る必要があります。たとえば「行動するよりも考える手間を省きたいと考えている」という仮説から、「生活の中で考える時間として、無駄・面倒に感じる瞬間を深掘りすること」をキークエスチョンにおき、質問に対して想定回答も用意しておきます。
キークエスチョンは1問だけで終わらず、無駄だと思う理由やポイントを深堀し、ヒアリングすることが重要です。
【例】
質問「日々の生活の中で時間が無駄だと感じる瞬間を教えてください」
想定回答「ネットスーパーで、30分ほどついつい時間を過ごしてしまう」
↓
質問「その時間を無駄だと思う理由は何ですか?」
想定回答「楽しい買い物ではないのついつい時間を使ってしまう」
「毎回同じものを買っているだけなのに何故か時間をすごく使ってしまう」
↓
質問「その時間を過ごしてしまう一番の要因は何だと思いますか?」
想定回答「買い物かごが見返したときに食事のメニューが同じだとつまらないので悩んでしまうから」
「購入履歴から選択するときには困らないが、最後に購入物を見返したときにこれでよかったのか悩んでしまうから」
このようにキークエスチョンから質問を膨らませ、どんどん深堀していくことが大事です。
「この質問をしたらこのように返ってくるのではないか」と想定問答をして、適切な質問を探っていくことが重要です。
仮説は全体で3~4つ程度、キークエスチョンは3~5個くらい設定し、全体の整理をし、そのうえで全体のインタビューフローの構造を作っていきましょう。