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Written by
藤井 陽平
取締役

【商品開発のプロセス15】定性インタビューの方法②リクルーティング

前回からはじまった定性インタビュー編、今回はリクルーティングについて解説します。

われわれがおこなう対象者のリクルーティングには、おもに3つのパターンがあります。

①調査会社経由でのリクルーティング

調査会社にいる何万人というパネルの中から今回該当する人を調査票ベース経由でリクルーティングするパターンです。

②SNS、ブログなどでのルクルーティング

われわれはデスクリサーチでセグメントを決定する場合があるため、そのときにユニークな回答をしていた方は今回の内容に該当する方に直接連絡させてもらって調査の依頼をします。許諾をいただいた方にヒアリングをおこないます。

③知り合いベースでのリクルーティング

自社の社員やその知り合いベースで近くにいる該当する対象者を探して依頼するパターンです。

SEEDATAでは最近は②、③の方法でのリクルーティングを採用することが多く、これを機縁法と呼んでいます。

②の場合、われわれは「哲学のある対象者」をリクルーティングすることを意識します。これは一般の対象者以上に「自らの思い」をもっていたり自分の考え方を発信している対象者など、自分の意見や考えを持っている対象者です。

また、このような人たちは、ブログなどで自分の考えを発信しているケースが多いため、事前に対象者として選定しやすいのもメリットです。

インタビュー依頼の連絡先をサイトなどに記している方がいるため、連絡先の書いてある方、インタビュー依頼OKと書いている方々にお声がけするのが良いでしょう。

③の場合、事前に今回リクルーティングしたい条件をLINEやチャットでプレヒアリングできるため、対象者として的確かどうかを判断しやすいというメリットがあります

SEEDATAでは過去3年にわたって定性ヒアリングをおこなっているため、さまざまな生活者の方と連絡がとれるネットワークが増え、以前調査した人にまたお声がけするケースもあります。

①の場合、調査票を作成してリクルーティングをします。一般的なリクルーティングの場合、調査項目に該当するかどうかで選定しますが、われわれは過去の経験から、調査会社のパネル経由のリクルーティングでは自由回答=OAを重視します。

私たちが意識しているのはOAの書きぶりです。記載量が多いほどコミットメントも高く、自分の思いが強いと考えるため、まずは記入量と、理由を持って行動しているかを対象者スクリーニングの条件の一つにしています。

当然選択肢項目もリクルーティング条件ではありますが、それだけで選定するのではなく、最低でも2~3問のオープンアンサーを作り、その書きぶりをもとに選定をおこないます。

たとえば、「時短はしたいが栄養素は気になる」対象者をスクリーニングする際には「あなたなりのこだわりのある時短テクニックを教えてください」というオープンアンサーの設問を作ります。ここでのOAをもとに、対象者はどの程度時短にこだわっているか、または時短テクニックを持っているかということを判断するポイントとします。

また、「行動するより考える手間を省きたい」という対象者を選定する場合、「行動する手間と考える手間のどちらを省きたいですか」という5段階の選択肢を作り、その中で「考える手間を省きたい」を選んだ人に「行動する手間よりも考える手間を省くためにあなたなりの心がけていること、おこなっていること教えてください」というオープンアンサーの設問を入れます。この内容をもとに、考える手間を省いている人のセグメントをリクルーティングしていくことが可能です。

OAをもとに対象者を選定するもうひとつのメリットは、インタビュー時の調査質問が作りやすいということです。

インタビューフローを作る際には調査仮説が必要で、対象者にどんな質問をするのかを考えなければいけません。調査仮説を考える手がかりがOAであり、OAを何問か置いておくとことで、回答内容をもとにインタビューフローが作りやすいというメリットもあります。

同様に機縁法の場合も、実際にブログに書いてある内容をもとにインタビューの手がかりを見つけることができます。リクルーティングは、単に対象者を選定するだけではなく、そのあとのインタビューフローの手がかりを探すという意味でも非常に重要なステップなのです。

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