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SEEDATA
公開日:2019.01.09/ 更新日:2021.06.09

商品開発(product development)

【商品開発のプロセス⑧】ワークショップ編

今回はこれまでご紹介してきた商品開発のプロセスをどう社内で実現していくかというワークショップ編です。

個人でやっていく場合と、社内でメンバーをそろえてワークショップを行っていく場合がありますが、今回はワークショップの場合の一連の流れをご紹介します。

これまでの商品開発のプロセスに関する記事はコチラ

ここまでのプロセスは、順当にいくと7時間くらいでできるため、タイムラインの図は7時間で整理してあります。ただし7時間一気にやると集中力がもたないため、ここに書いてある内容と基本的な設計の時間を、たとえば2回に分けて2日でやるなど、時間配分は変更して問題ありません。

また、この内容は、着想のための情報収集がしてあることを前提としたワークになります。

ワークショップは4~5人を1テーブルにして進めていくとよいでしょう。全体の人数が20人を超えるとファシリテーターの負荷が非常に高くなるため、8人から16人くらいまでの人数で行うことをオススメします。

00:00~00:10 (10min) チェックイン

まずワークショップ形式で行う場合、いちばん大事なことは目線あわせです。

プロジェクトを起案した人や、プロジェクトリーダーが「このプロジェクトにどんな思いをもっているのか」「どんなステップで今後歩んでいくのか」などを簡潔に話す必要があります。

また、今回の目的が商品開発の場合、健康食品なのか、冷凍食品なのか、飲料全体なのか、考えるべきジャンルを指定しておかなければ幅広すぎるアイデアになってしまうため、はじめにジャンルは指定しておきます。

00:10~00:40 (30min)アイスブレイク、チームビルディング

プロジェクトメンバーがお互い顔見知りでない場合であればあるほど、はじめのアイスブレイクは非常に重要です。

今回やるアイデア発想とは異なる簡単なミニゲームなどをここで30分くらい行うことで、お互いに話しやすい関係性作りができます。

アイスブレイクのミニワークに関してはネットで調べるといろんなものが出てきますので、そちらを活用するのがよいでしょう。

00:40~01:40 (60min)情報インプット

先日お話したデスクリサーチや自社の調査の内容などをインプットする時間です。

やり方としてはたとえば、インプットデータを作った人が簡単に内容を発表して、聞きながら気が付いたことや重要だと感じた点をメモする程度でOKです。

大事なのは「この情報が確からしいかそうでないか」という視点ではなく、あくまで着想のヒントと捉えて「ここからどんなヒントが得られるか」という視点で聞きましょう。

ここからは、この情報をファクトと捉え、このファクトからどんな解釈ができるかと考えていく必要があります。以前解説しましたが、商品が持つ機能的特徴から考える機能価値と、商品の持つ世界観やイメージから広げていく情緒価値の2つの方法があります。

インプットは個人ワークなので、話を聞きながら「こんな機能価値がありそう」「こんな情緒価値がありそう」ということをある程度イメージするとよいでしょう。

01:40~02:20 (40min)チームシャッフル型の情報共有

4~5人くらいでワンテーブルになり、チーム型で各自思った内容をディスカッション、共有し合い、チーム内の誰かひとりが議事録をとります。

チームは2回くらいシャッフルして、各人にお互い考えていた情報がフラットにいきわたるようなイメージで進めていきます。

仮にこの情報インプットで得た情報であまり収穫がなかった人がいたとすると、そのあとのワークでその人を置いてけぼりにしてしまう可能性があるため、ここでは各自の情報レベルをフラットにすることがひとつの目的となっています。

機能価値、情緒価値作成の前に一度休憩を入れましょう。

休憩は3、4セッションごとに1休憩というイメージです。

02:20~03:05 (45min)機能価値・情緒価値作成

ここでは各自で機能価値、もしくは情緒価値を作っていきます。これが機能なのか情緒なのかはやり方によって変わってきます。機能価値・情緒価値は各自作業で作成し、4、5個作ってその内容を次のブラッシュアップで活用します。

03:05~03:50 (45min)機能価値・情緒価値ブラッシュアップ

各自がどんな機能価値、情緒価値があると思ったのかをインプット情報と紐づけて考えていきます。ここではジャンルごとに分類し、ディスカッション形式でいい昨日価値・情緒価値をセレクトしていきます。

04:40~05:10 (30min)商品アイデアブレスト

機能価値、情緒価値をよりどころにして商品アイデアを作成していきます。まずはひとりのワークで行い、書けた段階でペアで共有し合います。

商品アイデアシートの詳しい書き方は前回のブログをご参照ください。

どちらかというと1枚目のほうが重要なので、2枚目は時間をかけずに仕上げましょう。

一人最低1枚、多くて2枚作成します。

05:10~05:30 (20min)4つの問いを考える

アイデアが作成できたら、リピート要因、既存商品との差別ポイントなど、前回お話したアイデアのブラッシュアップのための4つの問で、アイデアをブラッシュアップしていきます。

この段階で既存商品と同じになっていたり、重複がありすぎるものはいったん機能価値、情緒価値まで戻り、いったりきたりしながら進めていくことをオススメします。

05:10~06:10 (60min)全体共有

ここまでアイデアが1枚、2枚は完成するのでそれを各自が発表します。

ひとりひとり発表していくことが重要なので、発表の時間はなるべく長く、どんな思いを込めているのか、どんな課題に対してアイデアを考えたのかを各自3分くらいかけて発表しましょう。

06:10~06:30 (20min)アイデア投票、講評

発表したアイデアをもとにアイデアを選定します。

シールを用意して各自よいと思ったアイデアに貼っていくという方法がよくとられますが、

アイデアのユニークさという視点、技術的な実現可能性という視点、社内的実現可能性という3つの視点で投票していきます。

単に技術的な実現可能性だけではなく、社内の今の流れや、ブランドのポートフォリオから判断することも重要です。

最後にここで投票した結果を踏まえ、どのアイデアが票が高かったかをファシリテーターかプロジェクトリーダーが発表します。

ここではアイデアの投票数が高かったから単にこのアイデアがよいということではなく、各自がどういう点をユニークだと思ったのか、どこに技術的、社内的チャンスがあると思ったかを見える化する必要があります。

以上でワークショップは終了になりますが、終了後に起案者、あるいは事務局の担当者がどのアイデアをよりブラッシュアップしていくか、あるいは調査にかけていくかを選定していく作業があります。

この段階ですべてのアイデアが出そろうというより、みなさんにこのワークショップを通じてアイデアの芽を出してもらい、その内容を事務局あるいはプロジェクトリーダーがつめていく必要があります。

06:30~07:00 (30min)クロージング

チェックアウトの30分は予備の時間です。

時間が足りない場合はここで調整します。

以上のタイムラインを参考にワークショップを進めていきましょう。

new SEEDATA流商品開発コンセプト開発(ゾウガメ)

当連載をまとめたホワイトペーパーができました。商品開発のプロセスを分かりやすく解説しています(全31ページ・1.86MB)

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