#011 ソロ介護
¥220,000 (税込)
介護サービスのこれから 〜ソロ介護トライブの分析を中心に〜
いまではほとんどなくなってしまった、日本が世界一を誇るもの。ほぼ唯一といっていい、世界一を独走する数字が一つだけある。それは、高齢化率だ。日本の高齢化率は2003年25.1%を超え、2018年は28.1%を記録した。高齢化率25%超えは世界のどの国もまだ達成していない、日本だけの現象だ。 このことが生んでいる大きな問題の一つに、介護の問題がある。高齢者の増加、そして出生率の低下を受け、要介護者に対する介護従事者はますますその割合を少なくしている。その結果、老々介護や認認介護(認知症患者を介護する人もまた認知症である介護)、シングル介護など、制限ある状況の中で懸命に介護活動を行う人が増えている。 彼らのニーズはどこにあるのか。彼らをどうすれば助けられるのか。それは経済活動における課題である以上に、この国の課題でもあり、そして個人・企業としての人道的な課題でもある。いわゆるCSR/CSVの視点からの必要性である。社会問題に対して持続可能な解決の仕組みを作り出すには、経済的なメリットを発生させることが必要不可欠となる。彼ら、制限ある状況下で孤独に介護を行う「ソロ介護」トライブの調査がそのささやかな一助になれたらと考えている。 具体的には、介護者目線での職場・住宅デザイン、ライフスタイル・終活の提案に活かせる調査である。