はじめに~トライブレポートとは
SEEDATAは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。
トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。
トライブレポートの詳細と読み方については、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
エコは質素から贅沢へ。現代の贅沢がつまったボタニカルの意味とは?
「環境にいいことをしよう」という意識は、すでにほとんどの日本人の共通認識になり、20代以下の世代は学校でリサイクルという言葉を習い、エコカー減税など、環境に配慮することが得になるような政策もエコ意識を高めています。
しかしこれらはすべて「地球に優しくあるべき」「環境に優しいことは自分自身の得になる」という理性に基づく行動ですが、エコエンターテイナーは違います。大都市圏に住む高所得者を中心に見られるこのトライブは、環境への配慮を感性で行い、実利になるという理由だけでなく、「エコであることはカッコイイ」「クール」「楽しい」といった感覚でエコフレンドリーな生活を送り、環境保護にデザイン性やエンターテイメント性を見出しているのです。
エコエンターテイナーは2016年頃に行った調査ですが、2018年現在、まさにこのトレンドの波がきています。
エコエンターテイナー的考え方は、古くは車の世界で起きていたトレンドがあり、これをあるエコなハイブリットカーについてのアメリカ人ユーザーの利用者調査の事例を、事実を脚色して分かりやすく解説します。
このハイブリットカーは高燃費を売りにしていたのですが、調査の結果、何故か高所得層が好んで購入しているということが分かりました。セレブたちが皆、高級車からこのハイブリットカーに乗り換えていたのです。
全員が似たような高級車に乗って来るパーティーに、エコカーで乗り付ける。これはどういうことを意味しているかというと、「自分はエコに目が向いている先進的な消費者である」という記号、自己顕示を表します。
この流れは一気に広がり、ステイタスシンボルとして輸入車に乗るような人たちが、高級車にとってかわってエコなハイブリットカーを支持し始めたのです。
このことから私たちが考えなくてはならない命題は「エコはファッションなのか」という点であり、答えはイエスでもありノーでもあります。
地球環境のことを考え、本気でエコに取り組んでいる消費者もいれば、エコに気をつかっているということがある種の先進的なライフスタイルや、知性を表す記号になり、シンボルとしてエコプロダクトやエコサービスを利用している消費者も存在するのです。
SEEDATAとしては、当然地球環境を考えながら持続可能なライフスタイルを構築していくべきだと考えていますが、そのためにはまずエコプロダクトを普及させることを考えなければいけません。
まずはエコをファッションや記号、さらにはエンターテイメントとして捉えている層に着目し、彼らに使ってもらうことで、エコプロダクト全体がより多くの人々のライフスタイルの中に浸透し、ひいてはエコプロダクトが本当に目指していた、エコなライフスタイルが実現するはずではないかという考え方のもと、本来のエコが持つ、地球環境を大事にするという意味からかなり広げた文脈で、単なるファッションを超え、エンターテイメントと捉えてエコプロダクトやエコサービスを使っている人に着目しました。
このトライブをざっくりと説明すると、以前から「エコはステイタス」という考え方はありましたが、これをさらに超えて、「エコは楽しい」「エンターテイメントだ」と考えているような人たちです。
1つ目は、まるでクールなファッションアイテムとしてエコを楽しんでいる人で、「カッコイイ」という文脈でエンターテイメントとして楽しんでいる人たちです。
2つ目は、エコ行動自体が楽しい、コミュニティが楽しいという人たちです。
一方、楽しんでいるエンターテイナーと対照的なのがエコユーティリストで、自分の金銭的な実利を理由にエコな行動をする人たちを指し、純粋にエコ=お得という文脈でエコプロダクト、エコサービスを利用している人たちです。彼らを比較対象として、エコエンターテイナーたちの特徴をより浮き彫りにしていきました。
エコシューマーはプロダクト、エコアクティビストはイベントで、それぞれエコを楽しむエンターテイメントという分野でアプローチ違いです。
レポートでは車やハードウエア、イベントなどについて言及していますが、実は消費財にもとても使えるキー・トレンドがあります。我々が最近のサービスデザインでも活用し、実際に商品開発で使っているのが「エコは質素から贅沢へ」というトレンドです。
「エコはカッコいい」だけではもはや古く、エコは贅沢を構成する要素のひとつとして考えられるようになっているため、SEEDATAではラグジュアリーブランドを考える際にはまずエコな視点から考えます。
たとえばSEEDATAが今消費財でいちばん注目しているのが、何年か前からきているトレンドで今はあらゆる分野で広がっている「ボタニカル」です。実際に2、3年前から、一部の消費財メーカーと一緒にボタニカルをキーワードに商品開発を行っているのですが、ボタニカルにはこれまでのエコの文脈がすべて入っています。
素材の透明性からこだわるフェアトレードの考え方、パッケージが土に還るという環境性を重視した考え方、なおかつエコ行動を行っていることがクールということで、シンプルで飾らないパッケージデザイン。これまでエコで語られていたことが全部しっかり入っているものが本当のボタニカルであり、これを一言で表すと「現代の贅沢」といえるでしょう。
本当のボタニカルを実現するためには、コストも手間もかかるし、頭も使わなければいけないし、デザインもこだわらなければいけない。
最近はこれらが実現されていない、ニセモノのボタニカルが増えてきていますが、もともとアメリカやヨーロッパを中心に注目されていたボタニカルの考え方は、エコのクールさやフェアトレード、ファッションとしてのエコなどをトータルに実現した、現代のもっとも贅沢なものです。
一昔前までは贅沢=ゴージャスや華美なものでしたが、「現代の贅沢やプレミアムはボタニカルである」ということを意識してあらゆる商品サービスを設計すると、新規事業や新商品のよいアイデアが浮かんでくるはずです。
逆にエコ系の新規事業の失敗例としては、エコをお得という文脈だけで考えたり、実際に地球にどれくらい優しいかということだけに言及してしまっているパターンです。もはやそれだけではエコプロダクトやエコサービスは広がらないという実情を理解し、先進的な人たちの考える、贅沢品のひとつとしてエコプロダクトを捉えようというトレンドに着目すべきです。
また、世の中の新商品・新サービス開発者の方は、ボタニカルを単に植物性と勘違いして失敗しないようにしましょう。単なる植物性は昔からありますが、ボタニカルと言いつつ植物性にコンセプトがに寄ってしまっているものも多いので、失敗例にならないように注意してください。
エコエンターテイナーのトライブレポートを読むだけでは、ボタニカル系の商品開発アイデアはなかなか思いつきませんので、ご希望の方は「ボタニカルトレンドの商品開発をしたい」旨記載して、まずはお気軽にお問合せください。
記事ではこれ以上はご紹介できませんが、ほかにもトライブレポートにはおもしろい機会領域が数多く掲載されているため、お問い合わせの際は、まずは気になるトライブレポート名と「〇〇ビジネスをやっています」ということをお伝えしていただければ、我々がトライブレポートをもとにビジネスアイデアをいくつかご提案し、コンサルティングさせていただきます。
あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。
たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。
SEEDATAへのお問合せはこちらから(コンタクトフォームに移動します)。
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あとは皆さんの会社がすでに持っているリソースと掛け合わせて、新規事業の場合はビジネスモデルを変える、または新商品・新サービスを生み出すなど、それぞれの課題に対応いたします。
たとえば、新商品を作りたいという会社の場合、SEEDATAが提携している会社とこのトライブが世の中に何万人いるかを調査し、その人たちにテストマーケティングしてみて伸ばしていくことも可能です。また、サービス開発の場合もプロトタイプを作ることができますし、ビジネスモデルの場合でも、ビジネスモデルに関する検証された知識を手に入れるPoB(Proof of Business)のプロセスに入ることも可能です。
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