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Written by
藤井 陽平
取締役

【商品開発のプロセス14】定性インタビューの方法①セグメントの作り方

SEEDATAでは日頃トライブリサーチや事業開発、商品開発の新たなヒントを探す際、あるいは考えたアイデアや実際の事業に関するヒアリングをおこなう際など、さまざまなジャンルでインタビューをおこないます。

当連載で以前お伝えしたとおり、調査には着想と検証の二種類がありますが、SEEDATAでは基本的には着想型アプローチが多いため、まずは定性インタビューの方法+簡易分析について解説していきます。

SEEDATAのインタビューでは、グループインタビューよりも定性インタビュー=デプスインタビューの形式を採用しています。

グループインタビューは検証型に非常に有効なアプローチで、考えたアイデアを効率よく大人数の方にヒアリングすることが可能です。一方、深い洞察を得たり、聞きたい考えになかなかたどり着けない、ひとりひとりに深く聞けないというデメリットがあります。

SEEDATAでは、対象者の根本にあるものを深く聞き出すために、デプスインタビューを使っています。

デプスインタビューの悪いイメージとして、

・準備が面倒

・正しい方法が分からない

・個人の感性に属しがちなので疎まれがち

というイメージをお持ちの方もいると思いますが、前述したとおり、深い洞察を得られるというメリットがあります。

定性リサーチには当然ほかの考え方や方法もありますが、今回はSEEDATAが過去3年間実施したトライブリサーチから見えてきた経験を活かし、大学生でも社会人でもできる定性リサーチの手法を、以下の5回に渡って解説していきたいと思います。

①テーマにあった仮説出し・セグメント編

どんな仮説をもち、どんな対象者を選定し、どんなセグメントで考えればよいかについて

②リクルーティング編

選定した対象者をどのようにリクルーティングしていくかについて

③インタビューフロー編

インタビューに行く前に、どういう話を聞くか、どういう流れでヒアリングするかまとめるための質問票の作り方について

④インタビュー編

どんな心構えでどういう聞き方をしていく必要があるのか(前後編になる可能性あり)について

⑤分析編

インタビューした内容の簡単な分析の仕方について

セグメントを決める前におこなう仮説出し

インタビューに行く前にまずおこなうのは、セグメントの決定です。

どんな対象者にヒアリングに行くのかという、対象者のイメージ出しからおこなう必要があります。

セグメントを決める際は、やみくもに「こんな人に聞きにいこう」ではなく仮説が必要です。「対象者はこんなことを気にしてるのではないか」とリサーチに関する仮説を出していきます。

たとえば、主婦の「時短」テーマでインタビューをする際、SEEDATAではデスクリサーチの中からいくつか仮説を出していきます。

デスクリサーチでは、ニュース記事などから「行動する時間よりも考える時間を省きたい」というインサイトを見つけることができます。このインサイトを大事にしながら、セグメントを決めていきます。

ここで他のインタビュー方法と大きく異なるのは、「MECEであることが重要ではない」ということです。

通常は「漏れなくダブりなく」を大事にするため、セグメントを考える際には「これですべての主婦のニーズを網羅しているか」という考え方をします。この場合ユニークな特徴を出すより「漏れがないか、ダブりはないか」という考え方が重要になります。

しかし、われわれが大事にしているのは、新たなヒントを探ったり、次につながる考えを抽出することなので、MECEであることは必ずしも重要ではありません。

もちろん、あまりに対象者が被りすぎてしまうと同じ話ばかりになってしまいますが、MECEであることを意識しすぎないのがセグメント設定のポイントです。

セグメントは基本的に、4セグメント×2人ずつ、あるいは3セグメント×3人ずつで、合計6~9人くらいの対象者にヒアリングします。

人数が少ないのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、これまでの経験から、ひとつのテーマに対して6~9人程度にインタビューすれば、概ねヒアリングすることができます。逆に、これ以上の人数に聞いても話に重複が出てしまうため、これくらいの人数にインタビューするのがベストです。

たとえば今回は主婦の時短がテーマだったとして、いくつか以下のような仮説をもっていきます。

・行動する手間より考える手間を省きたい、

・時短はしたいが自分の手がかかっていなければ子どもに食べさせるのに罪悪感がある

・時短はしたいが栄養素は気になる

など、時短がテーマになったときにどういった仮説を重点的に深掘りするべく話を聞くのがいちばん有効かを考えて対象者を決めていきます。

今回のような仮説が3つある場合、以下のように名前をつけていきます。

週1家事お休み層

ミールキットや定期的に出来合いの料理を購入する日を儲けて、自分の考える手間を省きたいと考えている

 

超計画派主婦層

1か月分の料理を決めておきスーパーに行った際に考える手間を省きたいと考えている

出来合いちょいたし層

出来合いの総菜などにひと手間を加えることで自分で作ったという満足感を得たいと考えている

SEEDATAのトライブレポートを見ていただけると分かりますが、われわれはセグメントに名前をつけることを大切にしています。これは社内での伝わり方がよかったり、名前があるだけでリサーチ自体がユニークになる特徴があります。

名前を決めてセグメントを決めたら、まずはブログやTwitterなどでデスクリサーチをおこないます。するとたとえば「1年分の料理献立を決められてそれにそって作りたい。それくらい献立を考えるのが面倒」という意見を発見したり、ある程度「この層は存在しそうだ」という実感を持つことができます。

仮説出しの前にもデスクリサーチはおこないますが、仮説出しのあとにもデスクリサーチをサンドイッチ式におこなうことが重要です。

一人で考えるより数人で仮説を持ち寄ってディスカッションするほうが、セグメントに広がりがでるのでオススメです。

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