Written by
林 直也
アナリスト

海外進出のコンサル事例・SEEDATAのアジア拠点向けワークショップ

当連載ではこれまで、企業の海外進出、ならびにアジア進出に重要なアジアの旬な生活者の調査方法や、SD/SAが実際に海外でおこなったリサーチについて解説してきましたが、今回はコンサルとして我々のもつ海外の生活者リサーチに関する知見を企業の研修として活用した際の事例をご紹介します。

海外進出をお考えの企業の担当者さまは必見です。

消費財メーカーでおこなった研究者向けワークショップの3つのポイント

2018年9月、日本の某大手消費財メーカーがもつ中国現地の研究所に対して、SEEDATAが日頃国内で新商品開発やサービス開発のコンサルティングの際に活用している考え方や手法をお伝えするプロジェクトを実施しました。

まず、このプロジェクトが実施された背景として、クライアントは中国で生まれ育った現地の研究者を採用し商品開発の技術研究に取り組んでいます。しかし、技術に関する研究に終始してしまい、生活者の視点や、日常生活でこの技術がどう使われるのかという視点を技術研究の中でもつのが難しい、という課題意識がありました。

そこで、SD/SAの持つ少し先進的な生活者のリサーチを通じて、商品開発やサービス開発のヒントとなるようなインサイトやジョブを導き出し、現地ならではの新しい商品やサービスを開発するという考え方や、日系企業なので日本国内ですでに販売していて日本市場では成功している商品を中国の生活者にとって価値のある形にする意味の変換の仕方を1日のワークショップとレクチャーを通じて共有しました。

当日は上海にある現地の研究所に通訳とともに我々が出向き、消費財メーカーの研究所の所長を含む、スタッフ約35名のうち中国人30人、日本人5名に対してワークショップを行いました。当然、普段SD/SAが活用しているスライドなども中国語に変更したものをご用意しています。

ワークショップの具体的な内容については、クライアントとおこなったことなので詳細にお伝えすることはできませんが、今回はワークショップでお話した①意味の転換、②生活者の見方、③アイデアの検証方法という3つのポイントについて解説いたします。

①意味の転換

意味の転換については以前のセミナーの記事で詳しく解説していますが、ゼロからの商品開発ではなく、既存商品の意味の転換を行う方法について解説しました。

新しい意味をすでに見出している人をSEEDATAではアジアのトライブと呼んでいます。彼らの分析を通じて日本における商品の意味と海外における意味の変換をするのが大きなポイントといえるでしょう。

②生活者の見方

研究員として生活者について考えるべきということは当然ですが、具体的にどのように生活者を探したり、彼らの変化を分析すればよいのかという見方のコツについて解説しました。

まず、トライブの探し方については、これまでの記事でも触れているとおり、アジアに限らず基本的には日々futureinfoにポストしているような未来の兆しを感じられる記事を集めます。方法としては自分の興味のあるキーワード、あるいは研究所全体がテーマとしていることを念頭に、生活者の動向、または大企業やスタートアップの動きなどに注目して、個人またはグループでこれに関連する最近の話題やニュースを収集します。

そこで得られた複数の情報の中から変化の仮説を作り出し、それを擬人化するという方法でトライブの発想をしていきます。その後、リクルーティングをして実際にデプスインタビューやエスノグラフィーなどを実施し、インサイトなどの分析をおこない、企業のコンサルティングに役立てているのです。

当日は、これを個人レベルで習慣としておこなうにはどうすればいいのかという質問があり、冒頭で説明したような現地スタッフ同士が記事をピックして共有できる場を持つことをオススメしました。

③アイデアの検証方法

研究開発を進めるうえでは、技術を活用したアイデアの起案で終わるのではなく、簡単でもいいので自分の力で検証までするというプロセスを踏むことが重要になってきます。

トレンドなどを捉え、技術をかけ合わせて「こんなものができます」というアイデアの提案はもちろん重要ですが、今回は本当に簡単な形でもよいので、自分が考えたアイデアをミニマルにプロトタイピングして、顧客に見せたり使用してもらったりして検証するPOCの方法までを体験していただきました。

簡単ではありますが、以上が今回のワークショップのポイントのサマリーになります。

クライアントの都合もあり9時から17時半までという限られた時間ではありましたが、

・そもそもどんな生活者を見つければよいのか

・商品開発は0から1だけではないということ(意味の変換)

・トライブの考え方と使い方

・自分が提案したアイデアの検証方法

をお伝えする内容になりました。

このワークショップは結果として高い評価をいただき、2018年12月からは中国で共同のトライブリサーチのプロジェクトをおこなうことになりました。

このように、SEEDATAならびにSD/SAでは、いきなりトライブリサーチのプロジェクトを始めるのではなく、メンバーの教育という意味でも効果のあるワークショップもサービスとして提供しています。まずは研修をおこなうことで、トライブを活用した商品開発の考え方について深く理解し、効果を実感していただくことができるでしょう。

もちろん研究所に限らず、マーケティング部などの部署でも同様のワークショップをおこなうことは可能です。

今回の例と完全に同じ内容ではなく、御社の現地の悩みに応じて御社流にカスタマイズし、我々のもつ知見をご提供することが可能です。

今回ご紹介したワークショップの詳細が気になる方は、お気軽にお問合せください。

【SEEDATA ASIAにてリサーチをすることができるアジアの国や都市一覧】

東アジア地域:中国(北京、上海、杭州、深圳などの主な都市部)、台湾、香港、韓国

東南アジア地域:タイ(バンコク・チェンマイ)、インドネシア(ジャカルタ)、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピンなど

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SEEDATAでは、独自に定義した先進的な消費者群(=トライブ)のリサーチを通じて、企業のイノベーション支援を行っています。また、海外進出のサポート、コンサルティングも賜ります。

当記事に関するご質問、企業様からのアジアの共同リサーチの相談はinformation@seedata.jpまで、件名に『アジア共同リサーチについて』、御社名、ご担当者名をご記名いただき、お気軽にお問合せください。

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