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Written by
林 直也
アナリスト

【海外進出のポイント13】アジアトレンド通信vol.5タイのヘルスパッカーにみられる健康意識の変化

今回ご紹介するのはタイの旬な生活者です。

タイは皆さまもご存知のとおり、東南アジアの真ん中に位置し、シンガポールと並びアジアの製造拠点でありビジネスが盛んな地域のひとつです。

東南アジアの中でもタイは比較的先進国に近い国ですが、社会がある程度熟成すればするほど人びとは同じような生活を送るようになり、明確なニーズは見つけにくくなります。すると、とくに課題意識の強い人がトライブ化して、2~3年後を形作るような行動をとり始めるため、タイは東南アジアの中でも日本のようにトライブを見つけやすいという特徴があげられます。

アジア全体にみられる健康志向の高まりと日本食のブーム

東南アジア全体に共通することですが、とくにタイの近年の特徴として健康志向の高まりがあげられます。

そもそも熱帯気候であるタイは、汗を大量にかいてもエネルギーが失われないよう日常的に糖分を多めにとる習慣があります。タイの一般的な飲み物であるタイティーはとても甘く、またパッタイやカレーなど炭水化物を多くとる食事も特徴的です。

そんな伝統から、コーラや清涼飲料水を飲む人が多く、肥満や糖尿病患者が増加していることが国としての課題になっています。そこで最近では砂糖税が導入されたりもしています。

その反動か、近年ランニングや自転車、スポーツジムでの運動がブームになったり、健康的な食生活を目指すためにタイで開発されたライスベリーという新種の米などが話題になっていたりします。ライスベリーは2003年にタイの大学の研究期間から誕生した新種のお米ですが、この開発の背景には糖尿病といった社会問題の解決がありました。

これらの背景を踏まえたうえで、今回ご紹介するのがタイのトライブ、ヘルスパッカーです。

今タイでは毎週1日1食~3食の健康的な食事が送られてくるミールキットサービスが人気です。その月額制のサブスクリプションサービスを活用している人びとを、SD/SAではヘルスパッカーと呼んでいます。

このサービスが流行っている理由のひとつとして、われわれはタイでは日本と比べ、健康的な食事をとることが割と難しいという理由があるのではないかと考えています。

たとえば、伝統的なタイ料理がそもそも味が濃いものが多く、コンビニやスーパーの食品でも甘めな味つけや炭水化物メインの食事が多く売られているため、舌がそれに慣れてしまっています。その一方で日本食は一汁三菜で伝統的にヘルシーであったため、その食事のルーツがタイと日本での健康意識の差を生んでいるのではないかと考えられます。

ミールキットサービスは、健康的な食事にアクセスするためのコストを下げているという点で、現地の人びとが価値を見出しているのではないでしょうか。食事を作る手間が省けるという価値もありますが、何よりも事前にコミットメントできるという点が健康的な食生活の継続につながっています。サブスクリプションにすることによって、ある意味強制的に健康習慣の改善が促されるのです。

誰しも美味しそうなものを目の前にするとつい衝動食いをしてしまいますが、あらかじめお金を支払い、定期的に健康的な食事が送られてくることで、それを食べざるを得ない状況を作っているともいえるでしょう。事実、ヘルスパッカーの中には、ミールキットサービスを使い、休日にお弁当の作り置きをしているという人が存在しました。平日は忙しいからという理由もありますが、それ以上に休日に作り置きしておくことで、それ以外のものを平日に食べてしまうことを防ぐことができる、自分を縛ることができるという点がポイントです。

もちろん、その一方で1週間に1日程度は、ミールデイという日を設けていて、その日は食べたいものを食べてもいいという日を作っている人も多くいます。

健康志向の高まりを見せる東南アジアにおいては、ライフスタイルを簡単に変更、スイッチできるという点で、食事のサブスクリプションサービスが今後もさらに普及していくのではないでしょうか。

SD/SAでは11月にタイでヘルスパッカーのリサーチを行ってきました。

4人の対象者に普段ミールキットを活用してどのような生活をしているのか、ミールキット以外ではどのように健康的な食事を食べているのか、あるいは運動、睡眠、食事以外でどう健康を実現しようとしているのか、そもそもタイの人びとが目指す健康的な生活の在り方は日本とどう違うのかといったことをヘルスパッカーたちへのデプスインタビューで深堀りしてきました。

インタビュー内容についてはまだ詳細はお伝えできませんが、引き続き当ブログでSD/SA独自の分析結果などをお伝えしていきたいと思います。

【SEEDATA ASIAにてリサーチをすることができるアジアの国や都市一覧】

東アジア地域:中国(北京、上海、杭州、深圳などの主な都市部)、台湾、香港、韓国

東南アジア地域:タイ(バンコク・チェンマイ)、インドネシア(ジャカルタ)、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピンなど

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SEEDATAでは、独自に定義した先進的な消費者群(=トライブ)のリサーチを通じて、企業のイノベーション支援を行っています。

また、当記事に関するご質問、企業様からのアジアの共同リーサチの相談はinformation@seedata.jpまで、件名に『アジア共同リサーチについて』、御社名、ご担当者名をご記名いただき、お気軽にお問合せください。

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