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SEEDATA
公開日:2018.12.13/ 更新日:2021.06.09

グローバル(global)

【海外進出のポイント11】アジア最新トレンド通信vol.3韓国編

今回ご紹介するトライブは韓国のペンカフェマスターです。

カフェは韓国で人気のdaumというポータルサイト内で提供されているコンテンツのひとつです。

カフェを簡単に説明すると、さまざまなジャンルのテーマの情報交換や交流ができるコミュニティページで、誰もが無料でページを作り参加することが可能です。

イメージとしては日本でも一時期爆発的に流行ったmixiのようなサービスといえるでしょう。

Daum内の芸能人に特化したカテゴリをペンカフェ(ファンカフェ)と呼び、ペンカフェには大きく2種類が存在します。

・ファンが独自に作成し運営しているもの

・アイドルや俳優などの所属事務所が公認で運営しているもの

本記事では、現在公式以上に盛り上がりをみせているファンが管理しているペンカフェにスポットをあてて解説していきます。

これからのコミュニティデザインのヒントとなるペンカフェマスター

このカフェを管理する管理人のことをマスターと呼びますが、実はKPOPが世界的に人気になっている要因のひとつにペンカフェマスターの存在が考えられます。

1アーティストに対して1つのペンカフェというわけではなく、人気のアーティストの場合ペンカフェがいくつもありマスターも複数いるという場合もあります。

ペンカフェマスターの特徴は、非公式であるにも関わらず、その画像や動画のクオリティの高さ、量などから、もはや公式よりもファンから求められ支持されているという点です。ライブ写真(動画)、空港の出待ち写真など、公式では見られない数々の貴重なショットがあげられていることが最大の魅力といわれています。

また、もともとペンカフェマスターたちが行っていた、グループ内の特定の個人だけを撮影し続けるフォーカス動画という手法を公式が真似て取り入れるなど、非公式が公式のルールを作っていくというような流れが起きています。

実際、非公式ペンカフェを事務所側が公式ペンカフェにした事例もあるほどで、マスターたちはもはや単なるファンという括りでは収まらず、グループのコミュニティマネージャーのような存在ともいえるでしょう。

KPOPの中でも近年とくに盛り上がりを見せるグループのひとつとしてBTS(防弾少年団)があげられます。以前はアジアにとどまっていた彼らの人気は、今やアメリカのビルボードチャートで1位をとるなど、世界中に広がっています。我々は、ペンカフェマスターたちが数多くの動画や写真を制限なく全世界に配信し、SNSなどを通じてシェアされていったことが、世界中に広まったことの要因のひとつではないかと考えます。

ここでKPOPファンの特徴と日本のファン文化とを比較してみると、たとえば宝塚には入学してから卒業するまで一人の人を追い続けるという文化があったり、有名アイドル事務所のファンも、あるグループの特定の個人の固定ファンになるという傾向があります。どちらかというと閉鎖的で、象徴的なワードとして、同じ推し(好きなアイドルなどのことを推しという)同士では仲良くしたくないという「同担拒否」などがあります。日本のファンが求めているのは、「いかに自分とアイドルの関係が密接であるか」という自分対アイドルの関係性なのです。

一方KPOPファンは、さまざまなメディアを通じて別のアイドルグループの魅力に触れる機会が多いためか、さまざまなグループを応援し、グループをかけもちしてファン活動をする人が多いという現象がみられます。そのため、日本のように閉じられたコミュニティではなく、ほかのファンとの交流も盛んで、「アイドルというコンテンツをファン仲間と一緒に楽しむ」という傾向が強いのが特徴です。この交流が発展していった結果、世界にKPOPが広まっていったと考えられます。

ユーザーと運営の中間ともいえるペンカフェマスターの存在があるからこそ、韓国のKPOPファンというコミュニティは広がりをみせ、盛り上がっているともいえるでしょう。

ペンカフェマスターを調査し、そのノウハウや知識を知ることで、一般企業のコミュニティ作り、ファンのコミュニティ作りに役立つ重要な示唆が得られるのではないでしょうか。

【SEEDATA ASIAにてリサーチをすることができるアジアの国や都市一覧】

東アジア地域:中国(北京、上海、杭州、深圳などの主な都市部)、台湾、香港、韓国

東南アジア地域:タイ(バンコク・チェンマイ)、インドネシア(ジャカルタ)、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピンなど

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SEEDATAでは、独自に定義した先進的な消費者群(=トライブ)のリサーチを通じて、企業のイノベーション支援を行っています。

また、当記事に関するご質問、企業様からのアジアの共同リサーチの相談はinformation@seedata.jpまで、件名に『アジア共同リサーチについて』、御社名、ご担当者名をご記名いただき、お気軽にお問合せください。

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