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SEEDATA
公開日:2020.04.28/ 更新日:2021.06.11

アフターコロナ(afterCOVID)

【4/28更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選

この連載ではコロナウイルスの影響による現在の情勢とアフターコロナを見据え、これまで生活者調査をおこなってきたSEEDATAが、生活者の価値観や行動の変化や、これらを反映した新商品・サービスなどのニュース5選を紹介し、解説していきます。

当連載では毎週、以下のテーマごとにお届けしていきます。

購買・所有/美容・ファッション/健康・医療/娯楽・エンタメ/仕事・働き方/IT・メディア・コンテンツ/家事・家族/人間関係・コミュニティ/飲食/学習・教育/居住・暮らし方/金融・保険/移動/地域・社会活動

アフターコロナでは以上の14カテゴリがメインの変化になっていくため、このテーマに即していくことで、ほぼ全ての生活者起点での社会変化をとらえることが可能であると考えています。

今回は健康と免疫について解説しますが、コロナ以降新たに登場した生活者の価値観というより、これまでもあったがコロナウイルスの影響により、さらに加速しそうな価値観という視点でご紹介します。

【4/23更新】アフター(orウイズ)コロナ時代のヒントになるニュースクリップ5選

①健康食のラグジュアリー化

出典:https://twitter.com/wataryooou/

以前から若い女性を中心に、豪華なサラダといった健康的かつ彩のある食事を少し高いお金を払って食べることや、「健康的な食事はラグジュアリー」と捉える価値観自体は存在していましたが、コロナ以降、この考え方がさらに広がっているように見受けられます。

たとえばTwitterの投稿では、20代の男性からもラーメンにネギやニンニクをトッピングして「免疫力をアップ」という投稿がありました。また、漢方や薬膳を使った鍋を、贅沢なものとして食べている投稿も見られます。

このような事例から、これまで食事の彩りや免疫などを気にせず、「おいしくて高級な食事こそがラグジュアリーな食事」と考えていた人たちも、彩りだけでなく食材のバリエーションを意識し、「身体によいものがラグジュアリーな食事」であるという価値観に変わりつつあるように感じます。

 

これまで彼らにとって「ラグジュアリーな食事」とは、味がおいしいことはもちろん、高級な食材、プロが作ってくれたものなどがあげられ、一方で「健康食」は、「おいしくはないが身体のために我慢して食べるもの」というイメージが強く、ラグジュアリーとは対極にありました。

しかし今後は、より多くの人にとって「ラグジュアリーな食事」の条件に「健康であること」「身体にとってよいもの」という価値観が広がっていくのではないでしょうか。

 

兆しとしては、コロナ以前の2019年冬頃から、納豆、キムチ、チーズ、キノコといった発酵食品をふんだんに使用した発酵鍋がブームになりました。せっかく時間とお金をかけるのであれば、身体にとっていい体験にお金を払いたいという価値観は今後もますます広がっていくでしょう。

②既製品離れ・素材から自分で作りたい人の増加

出典:https://twitter.com/Lenosuke/

コロナ以降、スーパーでは小麦粉やゼラチンといった商品が品薄となる現象が起きています。可処分時間が増えたことにより、さまざまなものを手作りする人が増えたことはもちろん、これまで素材から作るという行動をしてこなかった人たちも、素材からパンやケーキなどを作り始めています。パン以外にも時間や手間のかかる味噌、ぬか漬け、ヨーグルトといった発酵食品作りも人気です。

コロナウイルス終息後も、自分でも作ることができると分かった既製品は購入せず、自ら作るという流れが進んでいく可能性があります。

とくに今後既製品離れが進んでいくと考えられる製品はおもに以下の4カテゴリーです。

①弁当、惣菜

②生菓類、パン

➂ドレッシング、ソース

④味噌、漬物などの保存食

また、自分でゼロから作る体験をすることで、今までなにげなく食べていた食品が何からできているのか、どんな栄養が含まれているのかを気にし始め、食品表示の多さに疑問を持つ生活者も増加していくのではないかと考えます。

➂セルフメディケーション需要の増加

出典:https://twitter.com/Enjoyshonan0466/

現在コロナウイルスのワクチンや特効薬がない中で、ウイルスを身体に入れないためには除菌や手洗いうがいをすること以外に、自らの免疫力を高めることが重要といわれています。

そのため、免疫はどうすれば高まるのか、「免疫」というキーワードが生活者の間で注目され、自宅での食事管理、運動を始めたという生活者も多く存在します。

これまで、いざというときには医療機関や薬に頼ることができましたが、今回のように頼ることができない事態も起きうることに気が付いたことで、多くの生活者が「自分の健康は自分で守らなければいけない」という考え方を持ち始めるのではないでしょうか。

これまでも、ウエアラブルデバイスや自宅でのセルフ検査キットサービスを活用し自らの健康状態を把握するセルフメディケーションという考え方はありましたが、コロナウイルスをきっかけにさらに広がっていくことが予想されます。

④西洋医学以外の分野へ、健康の拠り所を求める声の増加

出典:https://twitter.com/LululalaRon/

薬や医療機関などに頼れなくなった際に自分の力で身体の不調を治すために、対処療法ではなく、あらかじめ備えることに意識が向かっています。なかでも、そもそもの免疫力を高めるために東洋医学、運動学、栄養学といった、西洋医学以外の分野への感心は高まっています。

とくに、免疫に直結しているといわれる腸を元気にするために腸活をおこなう人が増加し、都内のスーパーでは、腸活に効果的と期待されている納豆やヨーグルトといった発酵食品が売り切れる現象が起きています。

⑤集団的ウィルス対策への需要増加

出典:https://twitter.com/livedoornews/

ウイルス対策としてこれまで一般的だったのは手洗い、うがい、マスクといった個人単位でおこなう予防でしたが、今回感染元として注目されたのは家族間などの集団(クラスター)感染であり、今後は集団単位で感染対策をしなければいけないという意識が高まっていくと予想されます。

Panasonicのジアイーノやオフィス空間の除菌サービスの登場など、個人の手についたウイルスを身体に入れないことではなく、そももそ空間全体を除菌対策する必要があるという考え方にシフトしていく可能性があります。

まとめ

 

今回は大きく健康、免疫の捉え方の変化についてご紹介しました。

健康の考え方はこの数十年でも大きく変化してきています。以前は、病気が発見されなければ健康で、病気が発見されれば不健康という考え方でしたが、人生100年時代になり、健康寿命を伸ばそうと考えるようになり、「未病」という考え方が取り入れられました。これにより、メタボリックシンドロームや高血圧の場合などは「未病」の状態、つまり病気ではないが身体に異常がある不健康な状態と考えられるようになったのです。

未病を防ぐための健康促進として、ゆらがない強い身体作り、太りづらい身体作りなどが叫ばれてきましたが、コロナ以前はそれをはかるものが、体型なのか、体力なのか、代謝なのか明確に定義はされていませんでした。

しかし、アフターコロナ以降、次の健康のボーダーラインは明確に「免疫力の高さ」になっていくのではないかと考えます。

これまで美容や身体づくりなどは、「あったらいいがなくてもいいもの」として捉えられてきましたが、今後、免疫力は「必ずあったほうがいいもの(なければ病気になる可能性が高いもの)」として認識されていくように思います。

これまでは「未病でなければ健康、未病は不健康」と考えられてきましたが、次のフェーズとして「免疫力が高ければ健康、免疫力が低ければ不健康」というように、健康の基準が一段上がる可能性があるということが、健康に関する大きな意識の変化です。

 

現在は免疫力を数値化したり可視化したりすることはできませんが、今後は体温の高さ、免疫細胞の数、腸内フローラの数などである程度はかることができるかもしれません。免疫力が健康のボーダーラインとなったときに、商品やサービスで免疫力の高い状態をどう数値として表し、デザインしていくかを今後考えていく必要があるでしょう。

また、セルフメディケーションの視点では、数字だけではなく、それぞれが感じる感覚と照らし合わせて健康管理をしたり促進する体験も必要です。太った、血圧が高いなど、未病の状態は自分でも感じ取ることができますが、免疫力が高いかどうかは感じることができないため、エビデンスと照らし合わせつつ、免疫力の高まりを感じられる設計が今後重要になっていくでしょう。

 

今回ご紹介したコロナクリップのまとめは、コロナウイルスの影響により、ひとりひとりの生活者行動の変化や新しく登場した商品・サービスをサマリーし、50~100ほどにまとめたものの一部です。

コロナの影響により現在はSEEDATAもリモートでの活動となっているため、リサーチもインタビューもオンラインでおこなうことが可能です。

業界別ごとにクイックに調べることはもちろん、簡単なレポートから本格的なビジネスモデル、商品開発に影響するカスタムレポートまで幅広く対応していますので、タイトルに「アフターコロナ時代のリサーチについて」と記載の上、information@seedata.jpまで、お気軽にお問い合わせください。

 

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