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Ethical Gifters

あえて環境負荷に関与することのない中古品を
選ぶことがクールな行動と考えギフトとして贈り合うα世代

KeyWords
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概要:Ethical Giftersとは?

近年、リセール市場は急成長を遂げている。これまでもリセール市場は車やブランド品のような高価な商品の中古品は新品に比べ安価に購入できるために一定の需要を確保してきた。現在では、資源価格の上昇や、円安の進行を背景にした物価上昇という社会情勢のほか、持続可能性を重視する生活者の増加といったさまざまな要因により、リセール市場規模はさらなる需要の増加が見込まれている。しかし、中古品の購入はあくまでも自身で使用することを前提とし、中古品をプレゼントとすることは躊躇される側面もあっただろう。そんな中、中古品のプレゼントを「クール」と考えるα世代が登場した。今回は彼らを「Ethical Gifters」と名づけ調査した。彼らは、もったいない意識や節約志向から中古品を選ぶのではない。むしろ、中古品をプレゼントすることで、お互いの環境意識を確認しあったり、相手に環境負荷のモノを贈らない配慮になると考えている。α世代の特徴として、幼少期からスマートフォンをはじめとするさまざまなデジタルデバイスに触れる中で、SNSや動画サイトを通して様々な情報を摂取しており、教育では環境問題や持続可能性を考える機会を持つことがあげられる。彼らを調査することで、α世代の環境意識の価値観や購買行動に関するアイデアが得られるだろう。

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SEEDERアナリストのコメント

上阪莉奈子 アナリスト

今回は、積極的に中古品をプレゼントするα世代「Ethical Gifters」を調査しました。これまで、自身が欲しいものを中古品で購入する生活者が増加する一方で、中古品をプレゼントとして選択することはあまりありませんでした。というのも中古品に関するイメージは、誰かが使用したもの、新品よりも安価に手に入るものといった節約意識から派生したイメージが一般的だったためです。そんな中、「Ethical Gifters」は、中古品をプレゼントに選択することをむしろ、クールな行動であると評価しています。彼らは、新品/中古という尺度によってモノの価値を測るののではなく、環境配慮という社会的意義を以って判断しているようです。背景には、デジタルネイティブのα世代は、購買活動において環境を配慮していることを前提とし、それらの行動をSNSや周囲に共有し、共感し合うことに喜びを感じることがあると考えています。今後、α世代のプレゼントの選択及び消費行動は、環境に配慮した商品を購入は前提とされ、社会貢献や社会的公正を可視化できる体験をシェアし称賛し合う経験を通じて、購買の満足度を左右させるようになるかもしれません。彼らをより調査することで、環境意識が根付いたα世代の価値観や購買行動に関するアイデアが得られるのではないでしょうか。

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