バーチャル グリーフケアラー

生成AIの技術進展によってグリーフケアの新たな手段が確立されようとしている。喪失というのは簡単に乗り越えられるものではない。喪失は死別だけでなく、破局、絶縁、推しの芸能界引退など様々な形が存在しているものの、グリーフケアは十分にされてこなかった。しかし、最近ではバーチャル上の存在に喪失を埋め合わせてもらい、心の安寧を求めるような生活者が登場している。そこで、今回はそのような生活者たちをバーチャルグリーフケアラーと名付け調査した。バーチャルグリーフケアラーは喪失の対象とAIを用いてコミュニケーションを取ったりすることで、辛い期間を乗り越えようとしている。これまでは、グリーフケアは多くの場合において時の経過やカウンセリングといったようなソリューションしか提供されてきたため、対処療法にとどまっており、生活者が心から癒されることは難しかった。しかし、これからはAIを用いてリアリスティックなバーチャル上の存在に慰安されることにより、喪失を和らげることができるのだ。例えば、お葬式においてはAIが答辞を述べるといった行動が当たり前になってくる可能性がある。彼らを調査することによって、グリーフケアの未来について知ることができるだろう。