デジタル・ムスリム
COVID-19をきっかけに、戒律よりも安全な信仰を続けるために宗教のデジタライズを積極的に取り入れるインドネシアのZ世代
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概要:デジタル・ムスリムとは?
近年、インドネシアでは宗教観が変化を遂げている。2020年に作成したレポート「Muslim-Millennials」でも一部触れているが、インドネシアの約9割を占めるイスラム教徒の伝統的な装いであるヒジャブをファッションとして楽しむなど、かつての戒律から一部逸脱した行動が特に都市部のミレニアルズ以降の世代で起こっている。しかし一方で、集団礼拝など戒律で絶対視されている行動は、COVID-19の影響を受け一部制限がされているものの、未だ戒律を重視する生活者が大半である。そのような中、戒律を遵守するよりも、自分の健康を守ることで、継続的に礼拝を行うことが重要であると考え、積極的にオンラインや自宅での宗教行動を取り入れる「デジタル・ムスリム」が登場している。彼らは信仰をないがしろにしているのではなく、自分が健康な心身であり続けることが良い信仰に繋がる、という考えを持つ。彼らの価値観を深掘ることで、ハラル商品に求める要素のヒントが明らかになるかもしれない。
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SEEDERアナリストのコメント
「ハラルビジネス」ーイスラム教の教えや伝統に沿った形のサービスを提供するという言葉の登場は久々しい。ムスリム人口の増加及びネットの発展によって、イスラム教の国で生まれたミレニアル・Z世代は新しい価値観を持つようになりました。文化や習慣などイスラム伝統的な教えを堅く守る信心深さがある一方、SNSなどを通じて流行に敏感で現代的な感覚を好み、単純に信仰に沿った形のサービスでは満足しなくなりました。彼らは教えや伝統を尊重しつつも、流行に敏感で現代的で洗練されたサービスや商品を求めようとしています。こういった価値観や消費行動やハラルビジネスに新しいチャンスをもたらすのではないのでしょうか。