ガチャエンターテイナー

商品選択において、実際に利用しなくてもインターネット上の記事やSNSから簡単に情報や口コミを手に入れられるようになった。一方で、あえてそれらの情報を見ることなく、観光や外食、移動などの娯楽体験においてガチャやルーレットなどを使用してランダムに楽しもうとするZ世代が登場している。デジタルネイティブで10代からSNSに触れている彼らは、情報収集能力が高く、消費体験において購入前から商品やサービスの内容が分かってしまうため驚きや楽しみを感じることが少ない。そこで彼らは消費体験におけるネタバレを防ぎ、驚きや意外性を感じられる楽しみ方をしているのだ。今回は彼らを「ガチャエンターテイナー」と名付け調査した。現在、サブスクリプションサービスの登場によってランダムにものが届くという体験は楽しめるようになったが、旅行や外食などの娯楽体験においては自ら選択することが必要だ。そのため、彼らは娯楽体験においても内容を決めずにガチャやルーレットを使って目的地や食べるものをランダムに決定することによって楽しもうとしているのだ。彼らを調査することによって、これからのサービス体験設計における新しいヒントが得られるかもしれない。