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SEEDATA
公開日:2019.07.19/ 更新日:2021.06.09

DNVB

DNVBの目指すゴールとは?

前回までは、DNVB(Digitally Native Vertical Brand)という新たなビジネスの形態が登場した背景、そしてDNVBとEC、D2Cとの違いをご紹介しました。

では、最終的にDNVBはどうなっていくのでしょうか。このことを理解することで、何故DNVBが最初にビジネス投資ではなく、ブランド投資をするのかが分かります。

DNVBのゴール=大企業へのイグジット

米国におけるDNVBの最終的なゴールは大企業にイグジットすることになりつつあります。

たとえば、一番最初にDNVBという名前をつけた「bonobos」CEOのアンディー・ダンは、自社のbonobosというDNVBアパレルブランドをウォルマートに売却しました。

大企業にイグジットすることで、ウォルマートの旧来型のマス広告や販売チャネルを使える可能性があります。後日談として、bonobosは現在ではいろいろと苦労している面もあるため新たな知見が必要ですが、いずれにしてもDNVBが考えていることは「大企業にイグジットし、そこからビジネス投資を経てスケールを目指す」ということなのです。

これが、最初にビジネス投資をせず、ブランド投資をすることの根本的な理由です。

おさらいすると、まず最初に起業家やスタートアップがDNVBを立ち上げ、うまくいきそうな場合、専門のVCを立ち上げます。この段階ではまだスケールしなくてよいので、熱狂的顧客から一次データをとり、ブランドのベネフィットや顧客ニーズが手に取るように分かる状態になった段階で大企業にイグジットするわけです。

この方法のメリットは、どこをどうスケールさせればいいかが分かる状態で、大企業の資本と掛け算してスケールアップできる可能性が見えることです。ここには、最初から最後までD2Cを続けると早い段階でパフォーマンス・マーケティング(=絶対利益の最大化を目標としたKPI設定)になってしまい、縮小均衡し、スケールしないというこれまでの反省が生かされています。

これがDNVBの目指すゴールまでの考え方です。これまでD2Cが陥りがちだった縮小均衡を改善しようという試みとも解釈できます。

米国では起業家もVCも強いため、大企業は自前でおこなうよりも外部でリスクをとって始めてもらい、いいものがあったら買収すればいいという考え方が浸透しています。

そのため、大企業がDNVBというブランド投資を外部にアウトソースし、うまくいったものを買うというある種のエコシステムが成立していると私は見立てています。

日本におけるDNVBは新規事業領域のひとつ

では、翻って日本はどうでしょうか。

VCも起業家も米国ほど強くない我が国で、誰が米国のDNVBと同じことをできるのか?という問題が出てきます。

前述したとおり、D2C型で最初から最後までいくとパフォーマンスマーケティングが足かせとなり、縮小均衡していきます。そこで、SEEDATAでは新規事業やサービス開発のひとつの領域としてDNVB開発を提案しています。このDNVBの役割をSEEDATAが担い、これまで蓄積してきたトライブ(=先進的な消費者)という熱狂的な消費者データの力を使い、ひとつのパッケージにしていきたいと考えています。

米国のようにはいかない日本で、米国でVCと起業家が構築しているエコ・システムをSEEDATAが肩代わりできると考えています。

トライブのような人たちの一次データを集め、トライブのような人たちが買うブランドを作ることは、SEEDATAと非常に親和性が高く、まさにトライブたちを育ててスケールさせていく「トライブ・マーケティング」といえるでしょう。

このように、クライアントのみなさんに提案したいのは、D2Cでパフォーマンスマーケティングをやるのではなく、DNVBでブランド投資をしていきましょうということです。

そうすれば新規事業の予算ではなく、広告やブランディング予算の一部を割くことができますし、新しいブランド投資としておこなっていくことが可能です。

以上、今回はDNVBの目指すゴールと、まずブランド投資をしていくことの必要性について解説しました。DNVBにはこのほかにもさまざまな特徴があるため、次回以降もご紹介していきますが、DNVBについて詳しく知りたい方はSEEDATAまでお問合せください。

information@seedata.jpに、御社名、ご担当部署、担当者名を記載の上、件名に「DNVB開発について」と記入のうえご連絡ください。コンタクトフォームはこちら。折り返し弊社担当がご連絡差し上げます。

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