当ブログではこれまでも様々なDNVB(Digitally Native Vertical Brand)の事例をご紹介してきましたが、今回は受け手ごとにカスタマイズされたテキストメッセージを作成できるAIサービス「Attentive」の事例について解説いたします。
DNVB継続購入のカギとなるテキストメッセージサービス
Attentiveは、DNVBの継続購入を促すために、裏で暗躍しているテキストメッセージサービスです。ユーザーの場所やアクティブな時間だけでなく、過去の購入履歴などの行動データを分析し、最も効果的なメッセージを作成することを実現しました。各ユーザーの好みに合わせたメッセージが送られるため、なんとメッセージの開封率はほぼ100%といわれています。
これまでもDNVBで重要なことは、
「哲学を伝え、リピート購入を促す」
ことだとお伝えしてきましたが、哲学を伝えてリピート購入を促すためには、商品の販売前や販売後も顧客とつながり続けることが重要になります。
通常のECの場合、購入して商品が届いたらそこで関係が終わり、また0からプロモーションを行い、購入してもらうということを繰り返さなければいけません。
しかしDNVBは購入後も関係性を継続できるよう、メールマガジンやポッドキャストなど、様々な手段を駆使して繋がり続けようとします。
様々な手段がある中で、米国のDNVBが昨今導入し始めているのが、SMSによるダイレクトメールサービスです。
これまでも多くの企業がメールマガジンの配信はおこなってきましたが、どのブランドも配信を行うことが当然になってしまい、ユーザーのメールボックスはインフォメーションメールで溢れ、開封率が低下してしまいました。そこで次に注目を集めたのがSMSです。
日本ではLINEが主流なメッセージアプリとして使われていますが、LINEのないアメリカではSMSが活発に使われています。そこでSMSのチャットでユーザーとつながろうとするDNVBが増えているのです。例えば、以前ご紹介した、チャットのみで購入できるDirty Lemonという飲料ブランドは、購入後のチャットで「商品の味はどうだった?」と気軽に質問することで、顧客とつながり続けることに成功しています。
このように、SMSで商品とブランドをつなげる動きが登場し始めていることに着目し、DNVB向けSMSサービスを提供しているのがAttentiveです。
多くの人々はメール疲れから、フランクでダイレクトなメッセージのやり取りに移行し始めています。事実、アメリカの若者の66%がメールよりもメッセージを好むという調査結果もあります。
Attentiveの特筆すべき点は、冒頭でご紹介したとおり、メッセージの開封率がほぼ100%に近いということです。ユーザーにとっては、メッセージが広告然としすぎていたり、なりすましのようなものでは、開く気は起きないでしょう。
どのテキストメッセージにも共通するのは、Friendly、Funny、Charmingという点です。さらに、それぞれのブランドが哲学に沿ったキャラクターを持ち、AIはそのキャラクターとなって返信してくれます。
たとえば、ユーザーの居住地に合わせた情報を入れたり、「前回購入日から〇日経ちましたが…」というような、その人ならではの情報やためになる情報をAIが作成します。開かれたメッセージはなぜ開かれたのか、開かれなかったメッセージはなぜ開かれなかったのかを学習していくため、開封率はどんどん上がっていくのです。
以上をまとめると、DNVBでAIテキストサービスを導入することで、
・ブランドからの哲学やメッセージをしっかり認知してもらえる
・開封したくなるようなメッセージを作成してくれる
・リピート購入のきっかけを作ってくれる
など、さまざまなメリットがあります。
ブランドの哲学に共感してくれているファンであれば、好きなブランドからくるメッセージは開封してくれますし、今後SMSはファンとつながり続けるための新たなチャネルとしてさらに広がっていくと我々は考えています。