a16z WEB3レポート紹介第8回です。
前回に引き続き、「2023 State of Crypto Report」の内容を日本語訳および整理したものをご紹介していきます。
消費者が製品やサービスを利用することがアダプションを促進する
需要側のKPI
- 「Active Addresses」とは、ある暗号通貨のブロックチェーン上で、最近一定期間内にトランザクションが行われたアドレスの数を表す。アクティブアドレスは、その暗号通貨の利用状況を示す指標の一つであり、増加することで、その暗号通貨がより広く利用されていることを示唆している。
- 「Transactions」は、ブロックチェーン上でのデータのやり取りを指す。ブロックチェーン上でデータを送信したり、受信したりすると、それがトランザクションとして記録される。トランザクションには、送信元アドレス、受信先アドレス、数量などの情報が含まれている。
- 「TRANSACTION FEES PAID」とは、ある暗号通貨ネットワークで行われたトランザクション(取引)に関連する手数料の総額を示す指標。ネットワーク上でトランザクションを実行するためには、一定の手数料を支払う必要がある。その手数料は、トランザクションが承認されるために競い合うことになるマイナー(ブロック生成者)に支払われる。そのため、手数料の総額は、ネットワークの利用状況や需要と供給のバランスなど、さまざまな要因に左右される。
- 「MObILE WaLLET USERS」は、モバイルウォレットの利用者数を示している。モバイルウォレットとは、スマートフォンなどのモバイル端末にインストールされたアプリケーションを使って仮想通貨の管理や取引ができるウォレットのこと。この指標は、仮想通貨の利用者がより便利でアクセスしやすい方法としてモバイルウォレットを利用する傾向があることを示している。
- 「DEX VOLUME」は、分散型取引所(DEX)での取引の総量を表す指標。DEXは、中央集権型取引所(CEX)とは異なり、ブロックチェーン上で直接取引が行われるため、オープンで透明性が高く、取引手数料が低いという特徴がある。DEX VOLUMEの増加は、分散化の進展や規制緩和による取引量の増加など、様々な要因によって影響を受ける。
- 「Net Buyers」とは、ある期間内に特定のアセット(株式、暗号資産など)を購入した人と、同じ期間内に同じアセットを売却した人の差額を示す指標。購入が売却を上回る場合、ネットバイヤーの数は増加し、逆に売却が購入を上回る場合は、ネットセラーの数が増加する。
- 「STABLECOIN VOLUME」とは、安定した価格を維持することを目的とした通貨であるステーブルコインの取引量のことを指す。ステーブルコインは、通常、法定通貨や商品、他の暗号通貨などの資産とペッグされている。ステーブルコインの取引量が高いと、市場の安定性が高くなる。また、ステーブルコインは、価格の変動が激しい他の暗号通貨と比較して、取引の際のリスクを低減するために使用されることがある。
WEB3の普及に伴い、アクティブアドレスは順調に増加中
グラフ:その月に追跡されたすべてのブロックチェーンでユニークなアクティブ(送信)アドレスの数
スケーリング技術による取引手数料の削減により、ブロックチェーン取引が爆発的に増加
グラフ:当月に追跡したすべてのブロックチェーンで成功したトランザクションの数
需要の高まりとともに料金は上昇するが、スケーリング技術により多くのブロックスペースが供給されるようになると料金は減少
グラフ:当月に追跡したすべてのブロックチェーンにおいて、ユーザーが支払った取引手数料の合計(米ドル建て)
モバイルウォレットの利用者数は2022年初頭から減少
グラフ:当月に追跡されたすべてのモバイルウォレットの推定利用者数
市場が不安定な中、分散型取引所は月間1,000Bドル以上の取引が行われている
グラフ:当月の分散型取引所におけるオンチェーン取引量の合計(米ドル建て)
投機的な時期を経て、NFTの購入者数は再び増加傾向にある
グラフ:月中に少なくとも1回のNFT購入を行ったユニークなオンチェーンアドレスの数
相場変動があっても、ステーブルコインの需要は高いまま
グラフ:当月のオンチェーンステーブルコインの総取引量
次回は、「【a16z WEB3レポート紹介⑨】仮想通貨の価値を見える化するツール“State of Crypto Index”について」をテーマにレポートの内容をご紹介します。
(出典:https://api.a16zcrypto.com/wp-content/uploads/2023/04/State-of-Crypto.pdf p.p.42-50)