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SEEDATA
公開日:2023.05.29/ 更新日:2023.06.05

WEB3

【a16z WEB3レポート紹介④】WEB3の注目トレンドについて(前編)

a16z WEB3レポート紹介第4回です。

前回に引き続き、「2023 State of Crypto Report」の内容を日本語訳および整理したものをご紹介していきます。

 

ブロックチェーンをスケールさせるためのさまざまなアプローチが試みられている

New Layer 1s

新しい「Layer 1」ブロックチェーンは、ビルダーのための可能なインフラストラクチャの選択肢を拡大し、スケーラビリティ、プログラム可能性、セキュリティ、および分散化の向上に貢献している。複数のブロックチェーンでアプリエコシステムを構築し、シームレスに通信することが可能になっている。

Application-specific

ブロックチェーンは、1つの特定のアプリケーションのみを操作するように専用に設計することができる。演算処理やストレージリソースは他のアプリと共有されない。

Optimistic rollups

「Layer 2」と呼ばれる独立したブロックチェーンは、ベースレイヤーを拡張し、そのセキュリティ保証を受け継ぐもの。 トランザクションは有効であると仮定されますが、必要に応じて異議を唱えることができる。

Zero knowledge rollups

「Layer 2」と呼ばれる独立したブロックチェーンは、ベースレイヤーを拡張し、そのセキュリティ保証を受け継ぐもの。トランザクションの状態は、オフチェーンで妥当性の証明を生成することによって計算的に検証される。

Data availability

ブロックチェーンがデータを保存し、アクセスする能力を強化する解決策がある。これにより、「Layer 2」ロールアップ上のトランザクションコストが削減され、ブロックチェーンをよりスケーラブルにする上で重要。

 

ブロックチェーンを拡張するロールアップがイーサリアムをスケールアップさせる

イーサリアムの手数料のうち、L2ロールアップで支払われるのは全体の7%。

グラフ:Ethereum上のL2ロールアップが支払った手数料(L1全体の手数料の%、過去30日間の平均値)

Ethereumの主要なアップグレードが数年にわたって作られており、このアップグレードによって、環境に対する異論が解消される

Ethereumは、2022年9月15日に行われた「The Merge」を最後に、一連の活動を経て新たな省エネ型コンセンサスメカニズムに移行。

グラフ:Ethereumのエネルギー消費量

現在のEthereumの年間エネルギー消費量は、YouTubeの年間消費量の0.001%

Ethereumは、エネルギー消費量が多いProof of Work (PoW)から省エネ型のProof of Stake (PoS)に移行。

 

ステーキングは、担保を大きな経済的保障に変える

担保(通常は暗号通貨)をステーキングによって参加者がネットワークに対してロックし、その担保を使用してネットワークのセキュリティを強化すること。ステーキングは参加者に報酬を与える場合もあり、それによって参加者は担保を保持し続けることで経済的なセキュリティを得ることができる。

※ステーキングとは、マイニングの代替え手段と言われている、ステーキング対象の仮想通貨(暗号資産)を使わずウォレットに入れ、ブロックチェーンのオペレーションに参加すると報酬を得られる仕組みのこと。

 

ゼロ知識証明(ZKプルーフ)の利用法が具体化し始めている

ゼロ知識証明技術は、個人情報などのプライバシーを保護しながら、同時にその情報が正しいことを証明することができる技術。

ブロックチェーンはゼロ知識証明(ZKプルーフ)を使用することで、スケーリングとプライバシーの向上を実現できる

スケーリング: ゼロ知識証明は、トランザクションの検証を効率的に行うために使用される。通常、ブロックチェーンでは全ノードがトランザクションの検証を行う必要があるが、ゼロ知識証明を使用すると、トランザクションの内容を証明することで、全ノードが直接トランザクションの詳細を検証する必要がなくなる。これにより、ネットワークのスケーラビリティが向上し、高速かつ効率的なトランザクション処理が可能になる。

プライバシー: ゼロ知識証明は、トランザクションの内容やユーザーの個人情報を公開することなく、トランザクションの妥当性を証明するためにも使用される。これにより、トランザクションの送信者や受信者の情報を隠すことができ、より匿名性とプライバシーの高いトランザクションが可能になる。

最近の動向

  • ハードウェアのコストはどんどん下がっている。
  • オンラインコース、チュートリアル、書籍などの教材が増えている。
  • NoirやLeoなどの高水準プログラミング言語が成熟している。
  • 複数のZK-EVMプロジェクト(ZK Sync、Polygon zkEVM、Scrollなど)が立ち上がっている。

 

盛り上がりを見せるゼロ知識分野

下記の増加

  • 年ごとのZK関連の学術出版物
  • Ethereum上のZKプルーフを検証する日々のトランザクション
  • 重要なZKリポジトリのGithubスター数
  • R1CSベンチマーク

 

次回は、「【a16z WEB3レポート紹介⑤】WEB3の注目トレンドについて(中編)」をテーマにレポートの内容をご紹介します。

(出典:https://api.a16zcrypto.com/wp-content/uploads/2023/04/State-of-Crypto.pdf  p.p.15-20)