日本国内外の先端事例や生活者トレンドをSEEDATA独自の視点で分析し、ブログ形式で配信しています。News

Written by
宮井 弘之
代表・ファウンダー

SEEDATAの2021年以降のミッションと体制変更に関するお知らせ

SEEDATAは2021年4月以降のミッションが大きく代わります。

それにともない新体制となるため、日頃お世話になっているクライアントの皆さまに、この場を借りてご説明いたします。

2021年以降のSEEDATAの新体制について

現在のSEEDATAは、正社員およそ20名に加えて、多いときで80人超のフリーランスやインターンなどの外部の協力者が加わり、総勢100名以上のチームとして、これまで大企業のイノベーション支援を中心にサービスを提供してきました。

私はこれまでも、株式会社SEEDATAだけではなく、SD V株式会社、株式会社SD G、株式会社SD R、株式会社SD Sなどの会社をプロデュースし、それらすべてを「SEEDATA」というひとつのコミュニティのように捉え、コミュニティ全体の発展を考えてきました。

また、外部に仲間を増やすために、さまざまなスタートアップ投資などもおこなってきました。今後はこの考え方を発展させ、あらためてSEEDATAをコミュニティとして位置づけていきます。

SEEDATAコミュニティの核となる、現在の株式会社SEEDATA社員の大部分のメンバーは、2021年4月から2021年3月までに、親会社である博報堂内の新規事業を生み出していく組織であるミライの事業室に移籍します。

そして、博報堂内のメンバーやクライアントのネットワークを活用し、より強固な共創事業を中心としたサポートチームを作り活動していきます。

ここでは基本的にはジョイントベンチャー(JV)や新規の事業会社の設立を前提とし、博報堂グループ、クライアントがともにリスクを取る形で新規事業やイノベーションに挑戦していきます。

ジョイントベンチャーおよび、新規事業の設立をしていくにあたり、これまでのようにつねに0→1に伴走し事業を育てるやり方では、どうしても案件数が限られてしまいます。

今後ももちろん、重要な部分は伴走していきますが、事業の数を増やすためには、既ににある事業をその会社に取り込む形でイノベーションを推進していくことも求められています。

そのために、ゼロから事業苗を作るだけでなく、事業苗となるものを探してくるSD/Vを強化し、連携していきます。

SD/Vには、アカウンティング、ファイナンスに強い村田が代表取締役を務めM&A、事業構築の経験が豊富な、新規事業の伴走に強い平田が転籍します。SD/Vの今後については別記事で説明します。

また、これまでSEEDATAがおこなってきたトライブリサーチを活用した未来洞察や、未来洞察に基づく各種コンサルティングに関しては大川を中心としたチームが請け負います。

現在ご好評いただいているD2C、DNVBについては佐野を中心としたチームでサポートいたします。副社長の藤井についてはこのタイミングでSEEDATAを卒業し、新たなキャリアを構築してまいります。また、代表の宮井・執行役員の郷間に関しては横串横断ですべてのプロジェクトに関わっていきます。

未来洞察から事業創造の伴走、それにともなうデータベースとファイナンシャルサービスを備えたコミュニティというのは世界的に見ても珍しいものだと自負しております。クライアントとの事業パートナー化、共創事業を推進していくには、相応の時間がかかるケースがあります。

例えば両社でジョイントベンチャーを組成しようとなったとしても、その背景にある戦略は何なのか、どういった事業内容なのか、その蓋然性はどうなのか、イグジットはとれるのか、収益分配はどうなるのかなど、戦略から実行計画まで緻密かつ大量のプランニングを必要とします。

一方でまずはJVという枠を作りたいクライアント様もいらっしゃり、この場合は迅速にスキームを提供できるファイナンシャル・アドバイザーが必要となります。このように、ひとことで事業パートナー化といっても切り口や時間軸やプロジェクト内容は多岐に渡り、ワンストップで対応するチームメンバーには多種多様なスキルが求められます。

今回はSEEDATAコミュニティ全体で長期の戦略ドリブンのプロジェクトから短期のスキームドリブンのプロジェクトまで対応できるようになりました。

戦略ドリブンの長期プロジェクトに関しては、未来洞察やトライブリサーチを活用したコンサルティング事業の場合、博報堂クロスコンサルティングと連携することで、より高度なサービスをご提供していきます。

そして、これまでSEEDATAの最大の武器でもあったトライブデータに関しては、今後はグローバル化、かつSaaS化し、日本国内に留まらないグローバルな未来洞察データとして強化していきます。

現在NYに活動拠点を移しているSEEDATA創業メンバーであったが代表取締役を務め、SEEDATAからは佐々木が転籍し、これまでSEEDATAで活躍してくれたインターン生も一部加わります。

もちろん、日本国内ものトライブも引き続き調査をおこなってきます。

以上が今後のSEEDATAコミュニティの全容となります。

では、ここからは、何故私が社内起業家としてSEEDATAを作り、そのSEEDATAを親会社である博報堂に戻すという結論に至ったのか、その経緯についてあらためてご説明します。

社内起業というのは一般の起業家(アントレプレナー)とは異なり、親会社の100%子会社として起業をする、かなり特殊な形態です。

一般的なベンチャーの社長の場合、上場、売却、事業承継、M&Aによるコングロマリッド化など、サステイナブル化プランもしくはEXITを考える必要があります。

一方、社内起業家のEXITについては世の中でほとんど語られていません。

子会社を作り、それをどう仕上げるべきか、これまでさまざまな外部の起業家たちのEXITの相談に乗りつつ、自分自身のそれがどうあるべきかをずっと考え続けてきました。

そもそも私が社外での起業ではなく社内起業を選択した理由は、博報堂のリソースを活用することで、社会により大きなインパクトを与える事業をおこなうことができ、それがクライアントに対しても有益だと考えたからです。

つまり、社内起業家としての行く末は、クライアントに提供する価値をより最大化できる形になるべきだと考えました。

方向性は二つ考えられます。

ひとつはSEEDATAを単体でさらに大きくし、博報堂グループとしてインパクトを与えるという方向。

もうひとつは、博報堂がより大きなことに取り組めるよう、出島として培ったノウハウや素晴らしいチームを博報堂に融合させるという方向です。

この二つの道を天秤にかける際にもうひとつ重要な観点が、「クライアントの飛躍的な進化を支援する」というSEEDATAのミッションです。この目的に立ち返り、クライアントのイノベーションの行く末も考える必要がありました。

ここで少し話は逸れますが、私は2020年の年始に、今後の新規事業全体ががとうなっていくかについてこちらの記事で予測しました。

アフターコロナ後の新規事業プロジェクトの行方

まず、「一巡」に関しては、多くの企業が新規事業やオープンイノベーションに着手し、SEEDATAはその伴走を支援して高い評価もいただきました。

そして一巡し、ほとんどの大手企業は、「自社だけであらゆる新規事業やイノベーションに挑戦するのはコストパフォーマンスに劣る」という結論にいたりました。

もちろんSEEDATAが伴走して成功した事例も数多くありますが、自社だけで取り組むには人材もリソースも不足しているため、数多くの事業を生み出すことはできず、結果、ノウハウも貯まっていきせん。

そこで、次のトレンドとして、他社と技術や知識を共有しながらともにリスクをとり新規事業を作る、ジョイントベンチャーの流れが訪れつつあります。

また、世の中全体の流れとして、0→1を作ることはやはり大変で、1→10、10→100から着手しようという思考になっています。

前者をジョイントベンチャー、後者をスモールM&Aを手段として実現する、これは概ね私の予測通りになったといえるでしょう。

そして、これらのクライアントの要望に対応していくためには、ジョイントベンチャーであれば、子会社としてのSEEDATAよりも、本体である博報堂とクライアントがリスクをとりあったほうが、当然インパクトの大きな事業を展開できますし、それが博報堂としても取り組むべきことだと考えました。

スモールMAについては、これまでSEEDATAが種から発芽させ事業苗から作っていましたが、今後はEXITを考えるベンチャー企業や中小企業を買収し、さらにジョイントベンチャーを組み合わせることで、SEEDATAメンバーだけでなく博報堂メンバー、クライアントメンバーも加わり、ともにリスクを取りながら得意な1→10、10→100から着手することが可能になります。

ここで重要な点はこれまで大手企業がやってきたM&Aをよりも一桁以上規模の小さいスモールM&Aを事業苗として活用するという考え方になります。

社内起業家として、会社の枠組みを活用してクライアントにより大きなお役立ちができる方法を考えた結果、出島として続けるよりも、私が作ったチームとノウハウを博報堂の中に入れ、より大規模な事業をおこなうことが、社会にとっても博報堂にとっても、そしてSEEDATAのメンバーの成長にとってもベストな形だと確信し、この結論に至りました。

一方でジョイントベンチャーやM&Aなどを推進していくためには多くの仲間が必要になることは明白です。そのためでSEEDATA自体は法人ではなくコミュニティという概念として残し、SD/VやSD/Gを核としながら、インターンや外部の人びととゆるくつなげるコミュニティの象徴として今後も残っていきます。

SEEDATAという法人はなくなり、チームは博報堂の中に戻すことになりましたが、今後はSEEDATA全体をコミュニティとして運営していきます。

SD/G、SD/Vの今後の事業内容について

2021年4月以降のSEEDATAコミュニティのミッション変更に伴い、SEEDATA、SD/V、SD/Gなどの体制が大きく変わります。

この記事では、SD/V、SD/Gの今後の事業内容について解説します。

新体制移行の経緯などについて、詳しくは「SEEDATAの21年以降のミッションと体制変更に関するお知らせ」をご覧ください。

SD/V:5月より4M(フォーム)株式会社に改名

SD/Vは、これまで0→1の事業苗を作ることに特化し、ビジネスを展開してきました。

しかし、「今後社会やクライアントに対し、より大きなインパクトを出していく」という観点で考えた場合、これまでのままでは不十分でした。

家にたとえるならば、0→1はゼロから立ち上げる新築の家で、一方、すでに0→1がある状態を持ってくるのは、リノベーションやリフォームです。

つまり、これまでのように毎回新築の家を建てるのではなく、外部の事業苗をスモールM&Aで取り込み、新築とリフォーム両方を提供することで、さらに多くの企業のイノベーションに寄与できると考えました。

このとき、これまでの一般的なM&Aは、当然ですが財務的な合理性に圧倒的なウエイトを置く戦略でおこなわれてきました。しかし、イノベーションを推進するためには、どのような方向に伸ばしていくのかというストラテジー、戦略が重要で、場合によっては非合理な買収を含む可能性もでてきます。

そこで、未来を知るSEEDATAと、0→1の事業伴走に強いSD/Vがタッグを組み、綿密かつ将来を見据えると現時点では限定合理的な戦略をたてた上で、0→1、事業苗それぞれのスキームも含めご提案していきます。

また、事業苗を購入する際に発生するM&Aや、ジョイントベンチャーをおこなう際には、デューデリジェンスやさまざまな契約が発生します。

そこで今後SD/Vは、法律や会計に詳しいスペシャリストやM&A仲介会社とタッグを組み、FAS(Financial Advisory ServiceFinancial Advisory Service)に特化していきます。これからのミッションの変化を体現すべく社名も変更いたしました。

SD/G (SEEDATA GLOBAL)

これまでSEEDATAでは、クライアントのみなさまのコンサルティングをひとつひとつ人力でカスタマイズし、未来洞察から商品開発、サービス開発、D2C、新規事業などを丁寧におこなってきました。

一方で、このスタイルには、

・案件数がこなせない

・一般的なフルカスタマイズのコンサルティングよりは圧倒的に安価だが、まだまだ一案件ごとの価格が高額であり、さまざまな方にカジュアルにサービスが提供できているとは言えない

という課題があります。

もともと、SEEDATA設立の際には、「SEED(種)」+「DATA(データ)」で、未来の種になる発見や兆しをより多くの人に共有し、それがさまざまな場所で花開いて欲しいという思いがありました。しかし、その理想とする姿から5年間で少しずつずれてきたように感じ、いつか修正しなければいけないという問題意識もつねにありました。

このような問題意識の背景には、われわれの武器であるトライブデータが専門的な内容になり過ぎて、SEEDATAアナリストが一緒に読み解かなければ活用しづらい難解化があります。

そこで、今後はトライブデータをもっと手軽に検索できたり、つねに低価格で閲覧できるようなシステムを構築することにしました。

メリットとして、クライアントのイノベーションに対する感度を高めるだけでなく、これまでSEEDATAとご縁がなかった企業に対しても、広く知見を広めることができ、結果、SEEDATAコミュニティが目指した理想の姿に、本質的に近づいていくはずです。

このように、未来の芽を共有し、より多くの人とより多くのイノベーションにチャレンジしていくために、SaaSという形に特化したSD/Gを立ち上げました。

SDGのデータの入り口は、イノベーション、マーケティングの2種類です。

イノベーション入口は、これまでご提案してきたFUTURE WAVEトライブレポートで、未来の兆しからイノベーティブな発想を手に入れるためのデータです。

マーケティング入口は、たとえば現在のシャンプー市場にはどんな商品があり、どんな訴求で、価格はいくらかが分かる流通レポートです。さらに、これら流通レポートと紐つけて具体的に特定のSKUの購入者にインタビューを行った動画も大量に格納していきます。

現在売られている商品の状況をきっちりマーケティングの観点から抑える、これはイノベーターにとってもマーケッターにとっても重要な要素です。

もちろん、マクロデータだけではなく、具体的にSKU単位でどんな人が買っているのか、1人の生活者のミクロデータも重要視し、商品購入者のデプスインタビュー動画集であるVoicetockをサービス化していきます。

2種類の入口を用意することで、イノベーション入口、マーケティング入口どちらから入っても、興味を持てばもうひとつのデータにたどり着くことができる、これがSD/Gの新しいSaaSビジネスのご提案の形です。

もうひとつ重要なのは、これらのデータを使い、どのようにインサイトを導出し、未来洞察をするのかということですが、今後はクライアントのみなさん自らが洞察できるような教育データもあわせて充実させていく予定です。

まずは日本国内に向けに、国内外のデータを日本語で提供していく予定ですので、乞うご期待ください。

SEEDATAは2021年4月以降のミッションが大きく代わります。

それにともない新体制となるため、日頃お世話になっているクライアントの皆さまに、この場を借りてご説明いたします。

2021年以降のSEEDATAの新体制について

現在のSEEDATAは、正社員およそ20名に加えて、多いときで80人超のフリーランスやインターンなどの外部の協力者が加わり、総勢100名以上のチームとして、これまで大企業のイノベーション支援を中心にサービスを提供してきました。

私はこれまでも、株式会社SEEDATAだけではなく、SD V株式会社、株式会社SD G、株式会社SD R、株式会社SD Sなどの会社をプロデュースし、それらすべてを「SEEDATA」というひとつのコミュニティのように捉え、コミュニティ全体の発展を考えてきました。

また、外部に仲間を増やすために、さまざまなスタートアップ投資などもおこなってきました。今後はこの考え方を発展させ、あらためてSEEDATAをコミュニティとして位置づけていきます。

SEEDATAコミュニティの核となる、現在の株式会社SEEDATA社員の大部分のメンバーは、2021年4月から2021年3月までに、親会社である博報堂内の新規事業を生み出していく組織であるミライの事業室に移籍します。

そして、博報堂内のメンバーやクライアントのネットワークを活用し、より強固な共創事業を中心としたサポートチームを作り活動していきます。

ここでは基本的にはジョイントベンチャー(JV)や新規の事業会社の設立を前提とし、博報堂グループ、クライアントがともにリスクを取る形で新規事業やイノベーションに挑戦していきます。

ジョイントベンチャーおよび、新規事業の設立をしていくにあたり、これまでのようにつねに0→1に伴走し事業を育てるやり方では、どうしても案件数が限られてしまいます。

今後ももちろん、重要な部分は伴走していきますが、事業の数を増やすためには、既ににある事業をその会社に取り込む形でイノベーションを推進していくことも求められています。

そのために、ゼロから事業苗を作るだけでなく、事業苗となるものを探してくるSD/Vを強化し、連携していきます。

SD/Vには、アカウンティング、ファイナンスに強い村田が代表取締役を務めM&A、事業構築の経験が豊富な、新規事業の伴走に強い平田が転籍します。SD/Vの今後については別記事で説明します。

また、これまでSEEDATAがおこなってきたトライブリサーチを活用した未来洞察や、未来洞察に基づく各種コンサルティングに関しては大川を中心としたチームが請け負います。

現在ご好評いただいているD2C、DNVBについては佐野を中心としたチームでサポートいたします。副社長の藤井についてはこのタイミングでSEEDATAを卒業し、新たなキャリアを構築してまいります。また、代表の宮井・執行役員の郷間に関しては横串横断ですべてのプロジェクトに関わっていきます。

未来洞察から事業創造の伴走、それにともなうデータベースとファイナンシャルサービスを備えたコミュニティというのは世界的に見ても珍しいものだと自負しております。クライアントとの事業パートナー化、共創事業を推進していくには、相応の時間がかかるケースがあります。

例えば両社でジョイントベンチャーを組成しようとなったとしても、その背景にある戦略は何なのか、どういった事業内容なのか、その蓋然性はどうなのか、イグジットはとれるのか、収益分配はどうなるのかなど、戦略から実行計画まで緻密かつ大量のプランニングを必要とします。

一方でまずはJVという枠を作りたいクライアント様もいらっしゃり、この場合は迅速にスキームを提供できるファイナンシャル・アドバイザーが必要となります。このように、ひとことで事業パートナー化といっても切り口や時間軸やプロジェクト内容は多岐に渡り、ワンストップで対応するチームメンバーには多種多様なスキルが求められます。

今回はSEEDATAコミュニティ全体で長期の戦略ドリブンのプロジェクトから短期のスキームドリブンのプロジェクトまで対応できるようになりました。

戦略ドリブンの長期プロジェクトに関しては、未来洞察やトライブリサーチを活用したコンサルティング事業の場合、博報堂クロスコンサルティングと連携することで、より高度なサービスをご提供していきます。

そして、これまでSEEDATAの最大の武器でもあったトライブデータに関しては、今後はグローバル化、かつSaaS化し、日本国内に留まらないグローバルな未来洞察データとして強化していきます。

現在NYに活動拠点を移しているSEEDATA創業メンバーであったが代表取締役を務め、SEEDATAからは佐々木が転籍し、これまでSEEDATAで活躍してくれたインターン生も一部加わります。

もちろん、日本国内ものトライブも引き続き調査をおこなってきます。

以上が今後のSEEDATAコミュニティの全容となります。

では、ここからは、何故私が社内起業家としてSEEDATAを作り、そのSEEDATAを親会社である博報堂に戻すという結論に至ったのか、その経緯についてあらためてご説明します。

社内起業というのは一般の起業家(アントレプレナー)とは異なり、親会社の100%子会社として起業をする、かなり特殊な形態です。

一般的なベンチャーの社長の場合、上場、売却、事業承継、M&Aによるコングロマリッド化など、サステイナブル化プランもしくはEXITを考える必要があります。

一方、社内起業家のEXITについては世の中でほとんど語られていません。

子会社を作り、それをどう仕上げるべきか、これまでさまざまな外部の起業家たちのEXITの相談に乗りつつ、自分自身のそれがどうあるべきかをずっと考え続けてきました。

そもそも私が社外での起業ではなく社内起業を選択した理由は、博報堂のリソースを活用することで、社会により大きなインパクトを与える事業をおこなうことができ、それがクライアントに対しても有益だと考えたからです。

つまり、社内起業家としての行く末は、クライアントに提供する価値をより最大化できる形になるべきだと考えました。

方向性は二つ考えられます。

ひとつはSEEDATAを単体でさらに大きくし、博報堂グループとしてインパクトを与えるという方向。

もうひとつは、博報堂がより大きなことに取り組めるよう、出島として培ったノウハウや素晴らしいチームを博報堂に融合させるという方向です。

この二つの道を天秤にかける際にもうひとつ重要な観点が、「クライアントの飛躍的な進化を支援する」というSEEDATAのミッションです。この目的に立ち返り、クライアントのイノベーションの行く末も考える必要がありました。

ここで少し話は逸れますが、私は2020年の年始に、今後の新規事業全体ががとうなっていくかについてこちらの記事で予測しました。

アフターコロナ後の新規事業プロジェクトの行方

まず、「一巡」に関しては、多くの企業が新規事業やオープンイノベーションに着手し、SEEDATAはその伴走を支援して高い評価もいただきました。

そして一巡し、ほとんどの大手企業は、「自社だけであらゆる新規事業やイノベーションに挑戦するのはコストパフォーマンスに劣る」という結論にいたりました。

もちろんSEEDATAが伴走して成功した事例も数多くありますが、自社だけで取り組むには人材もリソースも不足しているため、数多くの事業を生み出すことはできず、結果、ノウハウも貯まっていきせん。

そこで、次のトレンドとして、他社と技術や知識を共有しながらともにリスクをとり新規事業を作る、ジョイントベンチャーの流れが訪れつつあります。

また、世の中全体の流れとして、0→1を作ることはやはり大変で、1→10、10→100から着手しようという思考になっています。

前者をジョイントベンチャー、後者をスモールM&Aを手段として実現する、これは概ね私の予測通りになったといえるでしょう。

そして、これらのクライアントの要望に対応していくためには、ジョイントベンチャーであれば、子会社としてのSEEDATAよりも、本体である博報堂とクライアントがリスクをとりあったほうが、当然インパクトの大きな事業を展開できますし、それが博報堂としても取り組むべきことだと考えました。

スモールMAについては、これまでSEEDATAが種から発芽させ事業苗から作っていましたが、今後はEXITを考えるベンチャー企業や中小企業を買収し、さらにジョイントベンチャーを組み合わせることで、SEEDATAメンバーだけでなく博報堂メンバー、クライアントメンバーも加わり、ともにリスクを取りながら得意な1→10、10→100から着手することが可能になります。

ここで重要な点はこれまで大手企業がやってきたM&Aをよりも一桁以上規模の小さいスモールM&Aを事業苗として活用するという考え方になります。

社内起業家として、会社の枠組みを活用してクライアントにより大きなお役立ちができる方法を考えた結果、出島として続けるよりも、私が作ったチームとノウハウを博報堂の中に入れ、より大規模な事業をおこなうことが、社会にとっても博報堂にとっても、そしてSEEDATAのメンバーの成長にとってもベストな形だと確信し、この結論に至りました。

一方でジョイントベンチャーやM&Aなどを推進していくためには多くの仲間が必要になることは明白です。そのためでSEEDATA自体は法人ではなくコミュニティという概念として残し、SD/VやSD/Gを核としながら、インターンや外部の人びととゆるくつなげるコミュニティの象徴として今後も残っていきます。

SEEDATAという法人はなくなり、チームは博報堂の中に戻すことになりましたが、今後はSEEDATA全体をコミュニティとして運営していきます。

SD/G、SD/Vの今後の事業内容について

2021年4月以降のSEEDATAコミュニティのミッション変更に伴い、SEEDATA、SD/V、SD/Gなどの体制が大きく変わります。

この記事では、SD/V、SD/Gの今後の事業内容について解説します。

新体制移行の経緯などについて、詳しくは「SEEDATAの21年以降のミッションと体制変更に関するお知らせ」をご覧ください。

SD/V:5月より4M(フォーム)株式会社に改名

SD/Vは、これまで0→1の事業苗を作ることに特化し、ビジネスを展開してきました。

しかし、「今後社会やクライアントに対し、より大きなインパクトを出していく」という観点で考えた場合、これまでのままでは不十分でした。

家にたとえるならば、0→1はゼロから立ち上げる新築の家で、一方、すでに0→1がある状態を持ってくるのは、リノベーションやリフォームです。

つまり、これまでのように毎回新築の家を建てるのではなく、外部の事業苗をスモールM&Aで取り込み、新築とリフォーム両方を提供することで、さらに多くの企業のイノベーションに寄与できると考えました。

このとき、これまでの一般的なM&Aは、当然ですが財務的な合理性に圧倒的なウエイトを置く戦略でおこなわれてきました。しかし、イノベーションを推進するためには、どのような方向に伸ばしていくのかというストラテジー、戦略が重要で、場合によっては非合理な買収を含む可能性もでてきます。

そこで、未来を知るSEEDATAと、0→1の事業伴走に強いSD/Vがタッグを組み、綿密かつ将来を見据えると現時点では限定合理的な戦略をたてた上で、0→1、事業苗それぞれのスキームも含めご提案していきます。

また、事業苗を購入する際に発生するM&Aや、ジョイントベンチャーをおこなう際には、デューデリジェンスやさまざまな契約が発生します。

そこで今後SD/Vは、法律や会計に詳しいスペシャリストやM&A仲介会社とタッグを組み、FAS(Financial Advisory ServiceFinancial Advisory Service)に特化していきます。これからのミッションの変化を体現すべく社名も変更いたしました。

SD/G (SEEDATA GLOBAL)

これまでSEEDATAでは、クライアントのみなさまのコンサルティングをひとつひとつ人力でカスタマイズし、未来洞察から商品開発、サービス開発、D2C、新規事業などを丁寧におこなってきました。

一方で、このスタイルには、

・案件数がこなせない

・一般的なフルカスタマイズのコンサルティングよりは圧倒的に安価だが、まだまだ一案件ごとの価格が高額であり、さまざまな方にカジュアルにサービスが提供できているとは言えない

という課題があります。

もともと、SEEDATA設立の際には、「SEED(種)」+「DATA(データ)」で、未来の種になる発見や兆しをより多くの人に共有し、それがさまざまな場所で花開いて欲しいという思いがありました。しかし、その理想とする姿から5年間で少しずつずれてきたように感じ、いつか修正しなければいけないという問題意識もつねにありました。

このような問題意識の背景には、われわれの武器であるトライブデータが専門的な内容になり過ぎて、SEEDATAアナリストが一緒に読み解かなければ活用しづらい難解化があります。

そこで、今後はトライブデータをもっと手軽に検索できたり、つねに低価格で閲覧できるようなシステムを構築することにしました。

メリットとして、クライアントのイノベーションに対する感度を高めるだけでなく、これまでSEEDATAとご縁がなかった企業に対しても、広く知見を広めることができ、結果、SEEDATAコミュニティが目指した理想の姿に、本質的に近づいていくはずです。

このように、未来の芽を共有し、より多くの人とより多くのイノベーションにチャレンジしていくために、SaaSという形に特化したSD/Gを立ち上げました。

SDGのデータの入り口は、イノベーション、マーケティングの2種類です。

イノベーション入口は、これまでご提案してきたFUTURE WAVEトライブレポートで、未来の兆しからイノベーティブな発想を手に入れるためのデータです。

マーケティング入口は、たとえば現在のシャンプー市場にはどんな商品があり、どんな訴求で、価格はいくらかが分かる流通レポートです。さらに、これら流通レポートと紐つけて具体的に特定のSKUの購入者にインタビューを行った動画も大量に格納していきます。

現在売られている商品の状況をきっちりマーケティングの観点から抑える、これはイノベーターにとってもマーケッターにとっても重要な要素です。

もちろん、マクロデータだけではなく、具体的にSKU単位でどんな人が買っているのか、1人の生活者のミクロデータも重要視し、商品購入者のデプスインタビュー動画集であるVoicetockをサービス化していきます。

2種類の入口を用意することで、イノベーション入口、マーケティング入口どちらから入っても、興味を持てばもうひとつのデータにたどり着くことができる、これがSD/Gの新しいSaaSビジネスのご提案の形です。

もうひとつ重要なのは、これらのデータを使い、どのようにインサイトを導出し、未来洞察をするのかということですが、今後はクライアントのみなさん自らが洞察できるような教育データもあわせて充実させていく予定です。

まずは日本国内に向けに、国内外のデータを日本語で提供していく予定ですので、乞うご期待ください。

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